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来週上場3銘柄を徹底解説 IPO投資の注目点

by 内田 紗希
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4月第2週のIPO3社上場予定

2026年4月の第2週に、3社の新規上場(IPO)が予定されています。4月6日にシステムエグゼ(548A)、4月7日にヒトトヒトホールディングス(549A)、そして4月9日にソフトテックス(550A)がそれぞれ東証スタンダード市場に上場します。

2026年のIPO市場は年間60〜70社程度の上場が見込まれており、4月だけでも8社前後の上場が予定されています。来週は3日連続でIPOが控える形となり、個人投資家にとっては銘柄選びの目が問われる週となりそうです。本記事では、3社それぞれの事業内容や公開価格、投資判断に必要なポイントを整理します。

システムエグゼ(548A)― 堅実成長の独立系SIer

企業概要と事業の強み

システムエグゼは1998年設立の独立系システムインテグレーターで、東京都中央区日本橋に本社を構えています。事業はシステムインテグレーション(SI)事業と製品・サービス開発・販売事業の2本柱です。

最大の特徴は、売上の約8割がエンドユーザーとの直接取引(プライム案件)で占められている点です。多重下請け構造が問題視されるIT業界において、プライム比率の高さは収益性と顧客基盤の安定性を示す重要な指標といえます。また、データベース技術をコアコンピタンスに据え、業務ソリューションと技術ソリューションの両面から顧客の課題解決に取り組んでいます。

IPO概要と投資のポイント

公開価格は950円で、想定時価総額は約49.7億円、吸収金額は約8.7億円となっています。主幹事はみずほ証券です。公募401,100株、売出715,000株に加え、オーバーアロットメントによる売出167,400株が実施されます。

注目すべきはバリュエーションの低さです。予想PER(株価収益率)は約8.46倍、PBR(株価純資産倍率)も1倍を下回る水準とされており、同業他社と比較しても割安感があります。創業以来、黒字成長を継続してきた実績も安心材料です。

各IPO分析サイトでは初値予想を990円〜1,400円程度と見る意見が多く、公開価格からの上昇が期待される銘柄として注目されています。

ヒトトヒトホールディングス(549A)― スポーツ運営×ビルマネジメント

独自のポジションを持つ人材活用企業

ヒトトヒトホールディングスは、スポーツイベント運営とビルマネジメントを主軸とする持株会社です。4月7日に東証スタンダード市場への上場を予定しており、公開価格は430円に決定しています。

事業の最大の特徴は、プロスポーツ界における圧倒的な存在感です。プロ野球12球団中8球団、Bリーグ8チーム、Jリーグ7クラブの試合運営を受託しています。約12,000人の運営スタッフを動員できる機動力は同社の大きな競争優位性です。

ビルマネジメント事業でも、三井不動産グループの商業施設52施設中26施設で警備等を受託するなど、大手デベロッパーとの安定的な取引関係を構築しています。

投資判断の注意点

業績面では、2026年3月期の売上高が約198億円(前年比+18.2%)、営業利益が約10億円(同+49.7%)と好調な成長が見込まれています。吸収金額は約19.3億円です。

ただし、今回のIPOにはいくつかの留意点があります。最も注目すべきは、今回の株式が「売出100%」で公募株がゼロという点です。これは、新株発行による資金調達がなく、既存株主による持ち株の現金化が主目的であることを意味します。VC(ベンチャーキャピタル)など既存株主のイグジット(出口)案件であり、上場後の売り圧力が懸念されます。

初値予想は397円〜600円と幅があり、公開価格を下回る可能性も指摘されています。スポーツ関連ビジネスの成長性は魅力的ですが、需給面での慎重な判断が求められる銘柄です。

ソフトテックス(550A)― 医療ITに強みを持つ老舗開発会社

40年の歴史を持つ独立系SI

ソフトテックスは1984年設立の独立系システム開発会社で、4月9日に東証スタンダード市場と名証メイン市場への同時上場を予定しています。公開価格は仮条件の上限である1,940円に決定しました。主幹事は岡三証券です。

事業はソフトウェア開発サービスと医療ITサービスの2セグメントで構成されています。ソフトウェア開発サービスが売上の約7割を占める主力事業で、企業や公共分野向けの受託開発および技術者支援を手がけています。従業員数は約330名です。

医療ITという成長領域

同社の特色は、日本医師会が推進する日医標準レセプトソフト「ORCA」のサポート事業所として正式認定を受けている点です。医療ITサービスでは、医療機関向けのシステム導入・運用支援を展開しており、デジタルヘルスケア市場の拡大に伴う成長が期待されます。

2026年3月期は第3四半期時点で売上高約26.5億円、経常利益約1.7億円と、前年を上回るペースで推移しています。配当実績もあり、2025年3月期には1株あたり70円の配当を実施しています。

初値予想は公開価格付近での推移が見込まれており、堅実ながら派手さのない銘柄という評価が多いようです。

IPO3銘柄の需給差と2026年市場動向

3銘柄を比較するポイント

来週のIPO3銘柄は、いずれも東証スタンダード市場への上場であり、大型IPOというよりは中小型の案件が続く構成です。投資判断にあたっては、以下の視点が重要です。

まず、需給バランスです。システムエグゼは吸収金額約8.7億円と比較的小さく、初値上昇の期待が持てます。一方、ヒトトヒトHDは約19.3億円と3社中最大で、かつ売出100%という構造から需給面に不安があります。

次に、成長性と安定性のバランスです。システムエグゼとソフトテックスはいずれもIT企業ですが、プライム比率の高さや医療ITという成長分野への展開など、それぞれ差別化要因があります。ヒトトヒトHDはスポーツ市場の拡大という追い風がありますが、人材ビジネスの特性上、利益率の大幅改善には限界があるかもしれません。

2026年IPO市場の潮流

2026年のIPO市場は、スマートニュースやポケトークといった大型上場の観測が伝わる中、年間を通じて活況が続く見通しです。4月の上場ラッシュは投資家の資金分散を招く可能性もあるため、個別銘柄の精査がこれまで以上に重要になります。

システムエグゼなど3社の投資判断材料

来週上場する3銘柄は、それぞれ特徴の異なる企業です。システムエグゼはバリュエーションの割安感とプライム比率の高さが魅力で、初値上昇の期待が最も高い銘柄です。ヒトトヒトHDはスポーツ運営という独自性がある一方、売出100%の構造には注意が必要です。ソフトテックスは医療ITという成長分野に強みを持つ堅実な企業です。

IPO投資では、公開価格だけでなく事業の成長性や需給バランスを総合的に判断することが重要です。各社の目論見書や直近の業績動向を確認した上で、投資判断を行うことをおすすめします。

参考資料:

内田 紗希

新興市場・IPO

新興市場・IPO 銘柄を中心に、成長企業の実力と将来性を見極める。スタートアップのビジネスモデル分析と株式市場の接点を追う。

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