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高配当株ベスト30、10月28日終値で見抜く割安と減配リスク

(公開: 2026年9月17日 02:20) by 大野 真由
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10月28日終値で読む高配当株の現在地

高配当株は、定期的な現金収入を得ながら長期保有できる点が魅力です。一方、配当利回りは「年間配当額÷株価」で算出されるため、業績悪化で株価が下落した銘柄も上位に浮上します。特別配当や決算期を通過した配当が含まれる場合、表示上の利回りを今後そのまま受け取れるとは限りません。

そこで、2026年10月28日終値と会社予想配当を基に、東証プライム上場普通株の上位30社を独自集計しました。ランキングを入口としつつ、通常配当、期間限定還元、DOE、業績連動性を区別し、長期資産形成に適した銘柄を選ぶための判断材料を整理します。

東証プライム高配当30社の独自ランキング

集計条件と数字の読み方

ランキングは、10月28日18時40分更新のYahoo!ファイナンス「配当利回り(会社予想)」を基礎データとし、トレーダーズ・ウェブの同日ランキングとも照合しました。対象は東証プライム上場株で、REITやインフラファンドは含みません。

利回りは税引き前であり、年間配当は会社予想です。予想の修正、減配、無配転落の可能性があるほか、すでに権利確定日を通過した配当が含まれる銘柄もあります。

利回り上位30銘柄の全体像

順位コード銘柄10月28日終値会社予想年間配当予想利回り
13659ネクソン2,728円475円17.41%
26191エアトリ1,371円160円11.67%
33665エニグモ413円30円7.26%
43245ディア・ライフ907円64円7.06%
53548バロックジャパンリミテッド543円38円7.00%
62737トーメンデバイス25,450円1,640円6.44%
72379ディップ1,512円97円6.42%
87278エクセディ5,550円350円6.31%
93284フージャースホールディングス1,202円75円6.24%
103608TSIホールディングス1,126円70円6.22%
112410キャリアデザインセンター2,585円160円6.19%
127236ティラド1,335円82円6.14%
137128ユニソルホールディングス2,968円181円6.10%
143964オークネット1,351円82円6.07%
158595JAFCO2,190円133円6.07%
168584ジャックス3,310円200円6.04%
173457And Doホールディングス763円46円6.03%
185988パイオラックス1,530円92円6.01%
198007高島770円46円5.97%
208881日神グループホールディングス620円37円5.97%
218999グランディハウス540円32円5.93%
224481ベース3,145円186円5.91%
236535アイモバイル457円27円5.91%
248005スクロール1,726円102円5.91%
251518三井松島ホールディングス2,212円130円5.88%
262815アリアケジャパン5,100円300円5.88%
275541大平洋金属2,222円130円5.85%
281814大末建設4,020円234円5.82%
292461ファンコミュニケーションズ362円21円5.80%
308185チヨダ932円54円5.79%

上位30社の中央値は約6.06%です。ただし、首位と2位は還元の性格がほかの銘柄と大きく異なります。順位だけで選ぶのではなく、「次年度も同水準を期待できる配当か」という観点で並べ替える必要があります。

一時的高利回りと持続的還元を分ける選別軸

特別配当と期間限定還元の切り分け

ネクソンの年間475円には、通常配当60円に加えて1株415円の特別配当が含まれます。特別配当の基準日は9月30日であり、10月28日に新規購入した投資家が415円を受け取れるわけではありません。通常配当60円だけで10月28日終値から計算すると、参考利回りは約2.20%です。ネクソンの株式情報では、特別配当が大規模な資本還元として明確に区分されています。

エアトリも、2026年9月期から2028年9月期までの3期間に総額100億円超を配当する計画です。ただし、同社の株主還元方針には、投資フェーズへ移る2029年9月期から1株10円の従来水準へ戻す計画が記載されています。現在の高利回りを永久に続く水準として評価するのは危険です。

TSIホールディングスの70円も、基本配当55円と特別配当15円で構成されます。特別配当を除いた参考利回りは約4.88%です。同社の財務・資本政策は基本配当の増加を示す一方、総額70円すべてを恒久的な配当とみなせないことも示しています。

DOEと配当性向を使った持続力の比較

利益に対する配当割合を示す配当性向は重要ですが、単年度利益が落ち込むと大きく変動します。これに対し、株主資本に対する配当割合を示すDOEは、利益変動をならして配当を安定させやすい指標です。

エクセディはDOE5%を下限とする安定配当方針を掲げ、2026年度の配当を350円と予想しています。ただし、2025年度と2026年度は2年間合計の総還元性向100%方針も適用されるため、現在の配当額が中期計画後も同額で続くとは限りません。エクセディの株主還元方針を毎期確認する必要があります。

JAFCOはDOE6%と配当性向50%のうち、大きい金額を採用する方針です。利益だけに連動する企業より配当の下支えを期待しやすい一方、投資事業の収益は株式売却の時期によって変動します。JAFCOの還元方針にある必要資金と投資残高も併せて見るべきです。

バロックジャパンリミテッドは、コロナ禍を除いて38円配当を継続してきました。新中期経営計画からは安定還元への姿勢を確認できますが、株価下落によって利回りが7%へ上昇した側面もあります。配当実績が安定していても、本業の利益回復が伴わなければ純資産の減少につながります。

キャッシュフローと業種分散の確認

配当の原資を判断する際は、純利益だけでなく営業キャッシュフローから設備投資を差し引いたフリーキャッシュフローを確認します。借入金や資産売却で一時的に配当を賄っている企業は、表面利回りが高くても持続性に欠けます。

ランキングには、ディア・ライフ、フージャース、And Do、日神グループ、グランディハウスなど不動産関連が目立ちます。同業種を複数保有すると、金利上昇、建築費、在庫評価、住宅需要という共通要因の影響をまとめて受けます。

自動車関連のエクセディ、ティラド、パイオラックスや、半導体商社のトーメンデバイスも景気循環の影響を受けやすい銘柄です。トーメンデバイスは期初時点の年間配当予想600円から大きく増額されていますが、メモリー市況が反転した場合には配当も変動し得ます。同社の期初決算説明資料にある配当下限と業績連動方針を分けて評価する必要があります。

ディップは97円配当で上位に入る一方、2027年2月期の業績予想では、広告投資の継続を背景に営業利益予想をマイナス25億円からプラス25億円の幅で示しています。高配当と利益見通しの不確実性が併存する典型例です。

減配・権利落ち・集中投資に潜む三つのリスク

第一は、株価下落によって利回りだけが上昇する「配当利回りのわな」です。6%の配当を受け取っても株価が20%下落すれば、配当込みの運用成績はマイナスです。高利回りを割安と判断する前に、売上高、営業利益、フリーキャッシュフロー、自己資本の方向を最低3期分確認します。

第二は権利落ちです。J-Quantsの780事例の検証では、権利落ち日の終値下落幅を配当額で割った中央値は1.00でした。権利取り直前に買えば確実に得をするわけではありません。10月28日は10月決算銘柄の権利付き最終売買日ですが、今回の30社は決算月が異なり、ランキングの日付と配当を受け取れる期限は別です。JPXの権利落ち情報で個別に確認する必要があります。

第三は税金と集中投資です。課税口座では配当金に原則20.315%が課税されます。NISAなら配当を非課税にできますが、上場株式では受取方法を「株式数比例配分方式」にする必要があります。日本証券業協会のNISA解説を確認し、非課税枠を一時的な特別配当だけで埋めない運用が重要です。

長期資産形成で実行したい購入前チェック

高配当株を選ぶ際は、まず年間配当から特別配当、記念配当、すでに権利確定日を通過した金額を除き、今後受け取れる通常配当で利回りを計算し直します。次に、配当性向、DOE、フリーキャッシュフロー、自己資本の推移を確認します。

候補を絞った後は、決算月と業種を分散し、一度に資金を投入せず複数回に分けて購入する方法が有効です。利回り順位は候補発見の道具にすぎません。次回決算で業績予想と配当方針を再確認し、企業価値の成長と継続的な現金収入を両立できるかを判断することが、高配当株投資の基本です。

参考資料:

大
大野 真由

投資信託・資産運用

投資信託・ETF・NISA を中心に、個人の資産形成に役立つ情報を発信。難解な金融商品をわかりやすく解説する。

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