日経平均3日続伸も上値重い中東リスクの行方
日経平均3日続伸とトランプ最後通告
2026年4月7日の東京株式市場で、日経平均株価は前日比15円88銭高の5万3429円56銭と3日続伸で取引を終えました。前週末の米国市場でNYダウが165ドル高と反発した流れを受けて朝方は買いが先行し、一時5万3900円台まで上昇する場面もありました。しかし、トランプ米大統領がイランに対して設定した「最後通告」の期限が翌8日朝に迫るなか、積極的な買いは入りにくく、上値の重い展開となりました。
本記事では、日経平均が3日続伸しながらも伸び悩んだ背景にある中東情勢の最新動向と、今後の市場への影響について解説します。
停戦協議の行方と市場の期待
45日間停戦案をめぐる駆け引き
米国とイランの間では、複数の仲介国を介した停戦協議が進められています。米ニュースサイトのアクシオスは4月5日、米国・イラン・仲介国グループが45日間の停戦条件について協議していると報じました。パキスタンが仲介役として枠組みをまとめ、両国に提示したとされています。
トランプ大統領は4月6日の記者会見で、イランとの交渉が「うまくいっている」と発言し、市場では停戦への期待が一時的に高まりました。この発言を受けて、NYダウは前営業日比165ドル21セント高の4万6669ドル88セントと反発しています。
イランの停戦拒否と最後通告
しかし、事態は楽観を許しません。イランはパキスタンを通じて、提示された停戦案を受け入れないとの回答を米国側に示しました。ブルームバーグの報道によれば、イラン側の回答は10項目から構成され、一時的な停戦ではなく戦争の恒久的な終結を要求しています。さらに制裁解除、復興支援、ホルムズ海峡の安全な通航に関する取り決めなども条件に含まれているとされます。
トランプ大統領は「ホルムズ海峡の通航が再開しなければ、イランに地獄をもたらす」と警告し、米東部時間7日午後8時(日本時間8日午前9時)を交渉期限として設定しました。「一晩で国全体を壊滅させることも可能だ」とも発言しており、軍事的な緊張が高まっています。
朝高後に伸び悩んだ東京市場
朝方の500円超高から失速
4月7日の東京市場は、前週末の米国株高を好感して買いが先行しました。先物主導で上値を追う展開となり、朝方は日経平均が5万4000円台をうかがう場面もありました。3月の急落局面を経て、市場には押し目買いの意欲も見られました。
しかし、その後は強弱観が対立する形で上げ幅を急速に縮小しました。トランプ大統領の最後通告の期限が翌朝に迫っていることから、結果を見極めたいとの思惑が広がり、目先筋の利食い売りも重なりました。結局、終値は前日比わずか15円88銭高にとどまり、上昇率は0.03%と極めて小幅な上昇となっています。
原油高と円安が重荷に
市場の重荷となっているのが原油価格の高止まりです。2月28日の米・イスラエルによるイラン空爆以降、ホルムズ海峡は事実上の封鎖状態が続いています。3月5日には大手海上保険会社が戦争リスク保険の引き受けを停止し、これを受けて大手海運4社がホルムズ海峡の通過を停止しました。
WTI原油先物は1バレル112ドル台で高止まりしており、エネルギーコストの上昇が企業業績への悪影響として意識されています。同時に、日米の長期金利がともに上昇傾向にあり、インフレ懸念が株式市場の上値を抑える要因となっています。
ホルムズ海峡封鎖がもたらすリスク
世界のエネルギー大動脈の危機
ホルムズ海峡は世界の原油輸送の約2割が通過するとされる重要なシーレーンです。現在、イラン革命防衛隊による事実上の封鎖状態が続いており、約2190隻の商船と約2万人の乗員が湾内に足止めされていると報じられています。日本関連の船舶も44〜45隻(日本人船員24人)が影響を受けているとされます。
ゴールドマン・サックスの試算では、軍事攻撃が実行されてイランが報復措置として海峡通航をさらに制限した場合、原油価格が150ドルを超えるリスクがあるとされています。東京大学の研究者は、イスラエルが対イラン攻撃を継続する限り、封鎖状態が数年間続く可能性を指摘しています。
日本経済への波及
日本はエネルギー資源の多くを中東からの輸入に依存しており、ホルムズ海峡封鎖の長期化は深刻な影響をもたらします。政府は原油の国家備蓄放出に踏み切るとともに、ホルムズ海峡を経由しない調達ルートの拡大を急いでいます。ただし、代替ルートでは輸送コストが増加するため、ガソリン価格や電気料金の上昇圧力は避けられません。
8日午前9時期限と5万台相場の攻防
8日朝の期限が最大の焦点
最大の注目点は、トランプ大統領が設定した日本時間8日午前9時の交渉期限です。イランが停戦を拒否している以上、軍事行動がエスカレートする可能性があります。仮にエネルギー施設への攻撃が実行されれば、原油価格の急騰とともに世界の株式市場が大きく動揺するリスクがあります。
一方、NHKの報道では、トランプ大統領がエネルギー施設の攻撃を行わない期限を1日延長する可能性も伝えられており、交渉の余地が完全に閉ざされたわけではありません。
来週の日経平均見通し
市場関係者の間では、4月6日〜10日の日経平均の予想レンジを5万〜5万5000円とする見方が出ています。中東情勢の展開次第では、このレンジを大きく下振れするシナリオも想定されます。投資家にとっては、期限到来後の米国の対応とイランの出方を慎重に見極める局面が続きます。
15円高に映るホルムズ危機と投資家警戒
4月7日の日経平均は3日続伸したものの、上昇幅はわずか15円にとどまりました。米イラン停戦協議への期待と、トランプ大統領の最後通告による地政学リスクが綱引きとなり、投資家は動きづらい状況に置かれています。
ホルムズ海峡封鎖の長期化による原油高、インフレ懸念、そして軍事的エスカレーションの可能性と、市場を取り巻くリスク要因は多岐にわたります。翌8日朝の期限を前に、投資家はポジション管理を慎重に行い、急変動への備えを怠らないことが重要です。
参考資料:
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