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今週の決算発表を総点検 好決算が優勢の背景

by 前田 千尋
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4月第1週79社決算の好発進

2026年4月第1週、国内上場企業の決算発表と業績・配当修正が相次ぎました。今週は79社が決算関連の発表を行い、その内訳は四半期決算が21社、本決算が14社、業績修正が44社となっています。注目すべきは、ポジティブな内容の発表が49社と全体の約6割を占め、ネガティブな24社を大きく上回った点です。

この時期は2月決算企業の本決算発表が集中するシーズンにあたり、小売業を中心に好調な業績が目立ちました。本記事では、今週の決算発表の全体像を整理し、注目すべきポイントや投資家が押さえておきたい視点を解説します。

好決算が優勢となった今週の全体像

ポジティブ決算が約6割を占める背景

今週の決算発表では、79社中49社がポジティブな内容となりました。中立が6社、ネガティブが24社という構成です。ポジティブ比率が高かった背景には、いくつかの要因があります。

まず、2月決算企業の本決算が集中する時期であることが挙げられます。日本の小売業界では2月を決算月とする企業が多く、年末商戦や冬物需要の取り込みが業績に反映されやすい構造があります。今期は円安による訪日外国人消費の増加や、賃上げによる消費マインドの改善が追い風となりました。

また、業績修正が44社と全体の半数以上を占めたことも特徴的です。期末にかけて業績の着地が見えてきた段階で、上方修正に踏み切る企業が多かったことがうかがえます。

四半期決算と本決算の傾向

四半期決算を発表した21社のなかには、3月期決算企業の第3四半期(10-12月期)の結果も含まれています。製造業を中心にAI関連需要やデジタル投資の恩恵を受ける企業が堅調な推移を示しました。

本決算を発表した14社は主に2月決算の小売業が中心で、通期の業績が確定したことで来期の見通しにも注目が集まっています。

注目企業の決算ポイント

しまむら:売上高・営業利益ともに過去最高を更新

2月決算企業のなかで特に注目されたのが、しまむら(8227)の2026年2月期本決算です。3月30日に発表された決算では、売上高が7,000億34百万円(前期比5.2%増)、営業利益が614億83百万円(同3.8%増)、経常利益が636億円(同5.1%増)と、いずれも過去最高を更新しました。

主力の「しまむら」事業では、機能性素材を活用したPB商品やインフルエンサーとのコラボ企画が消費者に支持されました。加えて、アベイル事業が6.6%増収、バースデイ事業が6.4%増収と、グループ全体で好調な推移が確認されています。

注目すべきは来期の見通しです。2027年2月期の連結業績予想では、売上高7,291億93百万円(前期比4.2%増)、営業利益668億42百万円(同8.7%増)と、6期連続で過去最高益の更新を見込んでいます。配当も実質ベースで11.6%の増配を予定しており、株主還元の姿勢も評価されています。

無印良品(良品計画):海外事業の好調が牽引

良品計画(7453)も好調な決算を発表した企業のひとつです。2026年8月期第1四半期では、営業収益が前年同期比15.4%増、営業利益が同29.3%増と大幅な増収増益を達成しました。海外でのスキンケア用品を中心とした販売好調が業績を牽引しています。

SBI証券のレポートによれば、同社の通期営業利益に対する市場コンセンサスは会社予想を上回る水準にあり、上方修正の可能性が指摘されています。

業績修正で注目された動き

業績修正を発表した44社のなかでは、期末にかけて為替差益の恩恵を受けた製造業や、IT・DX投資の拡大を追い風にしたテクノロジー関連企業の上方修正が目立ちました。一方、原材料費の高騰や人件費増加の影響を受けた一部企業では下方修正もみられ、業種間の明暗が分かれる展開となっています。

市場環境と今後の注意点

中東情勢と原油高の影響

決算シーズンと並行して、投資家が注視すべきは外部環境のリスクです。4月4日の日経平均株価は、中東情勢の緊迫化を背景とした原油高の影響を受けて反落しました。一方で、INPEX(1605)をはじめとするエネルギー関連株は原油価格の上昇を追い風に上場来高値を更新するなど、セクター間で異なる反応がみられています。

好決算銘柄であっても、地政学リスクや為替変動といったマクロ要因によって株価が押し下げられるケースがあるため、決算内容だけでなく市場全体の動向にも目を配る必要があります。

4月中旬にかけての決算発表に注目

2月決算企業の本決算発表は4月中旬まで続きます。小売業に加え、外食や不動産、サービス業など幅広い業種の決算が控えています。今後発表される企業の来期見通しや配当方針は、市場全体のセンチメントに影響を与える可能性があります。

また、5月には3月期決算企業の本決算発表が本格化します。今週の好決算の流れが持続するかどうかは、今後の業績ガイダンスの内容次第といえるでしょう。

49社好決算と中東情勢への警戒

今週の決算発表では、79社中49社がポジティブな内容となり、好決算が優勢の展開でした。しまむらの過去最高益更新をはじめ、2月決算企業を中心に堅調な業績が確認されています。業績修正も上方修正が目立ち、国内消費の回復やインバウンド需要が企業業績を下支えしている構図が浮かび上がりました。

一方で、中東情勢や原油価格の動向といった外部リスクには引き続き警戒が必要です。4月中旬にかけて残りの2月決算企業の発表が続くため、来期見通しや配当方針の確認を通じて、投資判断の材料を丁寧に積み重ねていくことが重要です。

参考資料:

前田 千尋

企業決算・財務分析

企業決算を読み解き、業績の変化点をいち早く察知する。財務諸表の行間から企業の「次の一手」を導き出す決算分析の専門家。

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