デイトレ.jp
デイトレ.jp

5月の高配当銘柄ベスト30と配当取り戦略の要点

by 大野 真由
URLをコピーしました

5月27日権利付き最終日と約170社の配当機会

ゴールデンウィークが明けると、個人投資家の関心は「5月の配当取り」に向かいます。2026年5月末に権利が確定する銘柄の権利付き最終日は5月27日(水)です。この日までに株式を保有していれば、期末配当や中間配当を受け取る権利が得られます。

5月に配当の権利が確定する企業は、5月決算の期末配当と11月決算の中間配当を合わせて約170社にのぼります。3月決算に比べれば選択肢は限られるものの、配当利回りが4%を超える魅力的な銘柄が複数存在します。本記事では、配当利回りの高い注目銘柄をランキング形式で紹介しながら、配当取り投資で押さえておくべきリスクや新NISAの活用法について解説します。

5月の高配当銘柄ランキング上位の顔ぶれ

利回り4%台後半の注目銘柄

2026年5月1日時点の株価データに基づくと、5月末の権利確定銘柄のなかで配当利回りが高い銘柄の上位には、以下のような顔ぶれが並びます。

パソナグループ(2168)は年間配当金75円を予定しており、配当利回りは4.68%と5月銘柄のなかでトップクラスです。最低投資金額は約16万円で、株主優待として施設割引なども受けられます。人材派遣大手としての安定した事業基盤に加え、高い配当利回りが魅力です。

Enjin(7370)はブランディングPR事業を手がける企業で、配当利回りは約4.9%に達します。年間配当額は38円で、5月末と11月末の年2回に分けて配当が実施されます。時価総額は小さいものの、成長中の企業として個人投資家の注目を集めています。

早稲田学習研究会(5869)は配当利回り約4.7%で上位に位置し、株主優待としてQUOカードの贈呈もあります。教育関連銘柄として安定した需要が見込める点も評価されています。

利回り4%台前半の有力候補

インテリジェントグループ(192A)は配当額65円で利回り4.32%、情報ニュースアプリのGunosy(6047)は配当額22円で利回り4.30%と、それぞれ上位にランクインしています。

FPパートナー(7388)は配当利回り4.22%に加え、5月と11月の年2回、100株以上の保有でデジタルギフト3,000円分の株主優待を受け取れます。配当と優待を合わせた総合利回りで見ると、さらに魅力的な水準となります。

ビーウィズ(9216)は配当利回り4.13%で、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)大手としての安定収益が期待されています。

中小型株に光る高配当銘柄

利回り5%超の注目株

5月権利確定銘柄のなかには、配当利回りが5%を超える中小型株も存在します。

タマホーム(1419)は注文住宅大手で、配当利回りは約5.2%と高水準です。住宅市場は景気動向の影響を受けやすいものの、低価格帯を得意とするビジネスモデルが一定の需要を下支えしています。

モリト(9837)はファスナーや服飾資材を扱う専門商社で、3期連続の増配を続けており配当利回りは約5.2%に達します。連続増配は株主還元への積極姿勢を示すシグナルとして重要です。

ミタチ産業(3321)は電子部品の専門商社で、増配を発表して利回りが約5.1%まで上昇しています。年間配当額は前期比で増額となり、株主還元の強化が進んでいます。

佐鳥電機(7420)も電子部品商社で、4期連続の増配により配当利回りは約5.5%です。連続増配銘柄は業績の安定性を裏付けるものとして、長期投資家から高く評価される傾向にあります。

優待と配当のダブルメリット

TONE(5967)は工具メーカーで、配当と株主優待を合計した総合利回りが8%を超えます。配当金だけでなく優待品の価値を加味すると、実質的なリターンは大きく向上します。

毎日コムネット(8908)は首都圏で学生向け事業を展開し、配当利回り約4.1%を提供しています。少子化の影響が懸念される一方、首都圏の学生需要は底堅く推移しています。

配当取り投資の基本と押さえるべきリスク

権利確定日のスケジュール

配当を受け取るためには、権利付き最終日までに株式を購入・保有しておく必要があります。2026年5月末が権利確定日の場合のスケジュールは以下のとおりです。

日程内容
5月27日(水)権利付き最終日(この日までに保有が必要)
5月28日(木)権利落ち日(売却しても配当は受け取れる)
5月30日(土)権利確定日

権利付き最終日は権利確定日の2営業日前に設定されます。ただし、権利確定日が5月30日以外の銘柄では権利付き最終日も異なるため、個別に確認が必要です。

権利落ち日の株価下落リスク

高配当株には「権利落ちリスク」が伴います。権利付き最終日の翌日である権利落ち日には、配当や優待の権利を取得した投資家の売りが集中しやすく、株価が下落する傾向にあります。

配当利回りが4%の銘柄であれば、理論上は権利落ち日に約4%の株価下落が発生し得ます。配当金で得た利益が株価の下落で相殺されてしまうケースも珍しくありません。特に、権利付き最終日の直前に購入する「駆け込み買い」は、短期的には損失につながるリスクが高いといえます。

高利回りの裏に潜むリスク

配当利回りが極端に高い銘柄には注意が必要です。株価が急落した結果として「高配当」に見えているだけの銘柄も存在します。こうした銘柄は業績の悪化を市場が織り込んでいる可能性があり、将来的な減配リスクも高まります。

配当性向(純利益に対する配当金の割合)が80%を超えるような企業は、利益のほとんどを配当に回している状態です。業績が少しでも悪化すれば配当を維持できなくなるため、持続可能な配当かどうかを見極める指標として配当性向は必ず確認しましょう。一般的に、配当性向30〜50%程度であれば、事業投資と株主還元のバランスが取れていると評価されます。

新NISAを活用した配当取りの非課税メリット

配当金にかかる税金と非課税の効果

通常の課税口座で配当金を受け取る場合、20.315%の税金が源泉徴収されます。たとえば年間配当金が10万円であれば、手取りは約7万9,685円にとどまります。

新NISA口座の成長投資枠を活用すれば、配当金が非課税となり全額を受け取れます。配当利回り4%の銘柄に100万円を投資した場合、課税口座では手取り約3万1,874円ですが、NISA口座なら4万円がそのまま手元に残ります。年間で約8,000円の差は、長期で積み重なると大きな違いになります。

受取方式の設定に注意

NISAで配当金を非課税にするためには、配当金の受取方式を「株式数比例配分方式」に設定する必要があります。郵便振替や銀行口座振込を選択していると、NISA口座で保有していても配当金が課税されてしまうため注意が必要です。証券会社の口座設定画面で受取方式を確認しておきましょう。

新NISAの無期限保有と配当の長期戦略

新NISAは非課税保有期間が無期限化されたため、高配当銘柄を30年、40年と長期にわたって保有し続けることが可能です。連続増配銘柄をNISA口座で長期保有すれば、非課税の配当金が年々増加していく複利効果が期待できます。5月銘柄は3月や12月の決算銘柄と権利確定月がずれるため、配当の受取時期を分散させるポートフォリオ構築にも有効です。

銘柄選びのチェックポイントと今後の展望

失敗しない銘柄選びの5つの基準

配当取りを目的とした投資では、利回りの高さだけで銘柄を選ぶのは危険です。以下の5つの基準を総合的に評価することが重要です。

  1. 配当利回り3〜5%の範囲:極端に高い利回りは業績悪化のサインかもしれません
  2. 連続増配の実績:5年以上の連続増配は株主還元への積極姿勢を示します
  3. 配当性向30〜50%:持続可能な配当水準かどうかの目安になります
  4. 業績の安定性:過去数年間の売上高・営業利益の推移を確認しましょう
  5. 直近の業績予想:最新の決算短信や業績修正情報にも目を通すべきです

5月銘柄への投資タイミング

権利付き最終日の直前に駆け込みで購入するよりも、余裕を持ったタイミングでの購入が望ましいといえます。権利日が近づくにつれて株価が上昇する「権利取りの買い」が入りやすく、割高なタイミングで掴んでしまうリスクがあるためです。

一方、権利落ち日に配当落ち分だけ株価が下がった銘柄を、中長期保有を前提に拾うという戦略も有効です。企業の本質的な価値は配当落ちで変わるわけではなく、業績が堅調であれば株価は時間とともに回復する傾向にあります。

4〜5%台高配当株と新NISA活用の判断軸

2026年5月の権利付き最終日は5月27日です。パソナグループやEnjin、タマホームなど、配当利回り4〜5%台の魅力的な銘柄が複数揃っています。ただし、配当取り投資では権利落ち日の株価下落や減配リスクも考慮しなければなりません。

配当利回りだけでなく、連続増配の実績や配当性向、業績の安定性を総合的に判断することが成功の鍵です。新NISAの成長投資枠を活用すれば配当金が非課税になるメリットも大きく、長期的な資産形成に5月の高配当銘柄を組み入れる価値は十分にあるでしょう。まずは気になる銘柄の直近の決算情報と配当方針を確認するところから始めてみてください。

参考資料:

大
大野 真由

投資信託・資産運用

投資信託・ETF・NISA を中心に、個人の資産形成に役立つ情報を発信。難解な金融商品をわかりやすく解説する。

関連記事

高配当利回り株ベスト50、首位エニグモと配当持続性を徹底分析

2026年10月23日終値で東証プライムの高配当利回り株50社を比較。首位エニグモは7.18%、ディップは6.70%、エクセディは6.23%でした。予想配当、最低投資額、DOEや配当性向、記念・特別配当の有無を照合し、利回りだけでは見抜けない減配リスクとNISAで確認すべき受取方法まで詳しく解説します。

東証プライム高配当利回り株50社の割安度と減配リスクを深掘り

東証プライムの高配当利回り株50社を、配当予想、株価下落、NISA需要、東証の資本コスト改革から再点検。高い利回りが割安さを示す場合と、業績悪化や一時配当で見かけだけ高くなる場合を分け、減配リスク、財務余力、権利落ち後の値動きまで確認する実践手順を整理し、個人投資家が候補を絞る際の指標と順番を読み解く。

東証プライム高配当利回り株ベスト50の注目点を解説

2026年5月8日時点の東証プライム高配当利回りランキングを独自調査で読み解く。スクロールの配当利回り7.8%をはじめ上位50銘柄の特徴、PBR1倍割れ是正と増配の関係、減配リスクの見分け方、新NISAでの活用法まで、資産形成に役立つ実践的な視点を解説。

高配当利回り株ベスト50、首位エニグモと割安株の選別法を徹底解説

東証プライムの予想配当利回りを10月16日終値で独自集計。首位エニグモは7.19%、50位でも5.30%となった。全50銘柄の順位と株価を一覧化し、DOEや配当性向、業績、権利落ち、記念配当を点検。NISAで高配当株を選ぶ際に欠かせない、利回りの高さだけでは見えない減配耐性と分散投資の実践手順を解説する。

高配当利回り銘柄30選、数字の裏に潜む特別配当と減配リスクを検証

10月14日の高配当株30銘柄を検証。首位ネクソンは予想利回り17.40%ですが、年475円の大半を占める415円の特別配当は権利確定済みです。REITの一時的な物件売却益、DOE採用企業の持続性、NISAで確認すべき受取方式まで、個人投資家が避けたい落とし穴と利回りランキングを正しく読む実践手順を解説。

最新ニュース

国内ステーブルコイン関連株、実用化目前の本命を見極める投資戦略

3メガバンクが2026年度中の実取引を目指し、JPYCは累計発行額100億円を突破。金融庁の制度支援も追い風です。三菱UFJ、三井住友、みずほ、SBI、TIS、Speee、アステリア、ネットスターズなど関連株を、発行・基盤・決済の収益接点、実証から商用化への距離、規制リスクで比較し、本命候補の見極め方を解説します。

商船三井が今期経常利益を31%上方修正、市況好転とONE寄与

商船三井は2027年3月期の連結経常利益予想を2250億円から2950億円へ31.1%引き上げた。ドライバルク、エネルギー、持分法適用会社ONEの上振れが寄与する一方、配当予想は205円で据え置き。売上高、営業利益、経常利益の修正幅を比較し、下期計画、市況反落リスク、株主還元の余地から上方修正の質と持続性を読み解く。

住友商事、最高益予想を6700億円へ上方修正 増配の持続力を分析

住友商事は2027年3月期の純利益予想を6300億円から6700億円へ引き上げ、年間配当も株式分割後で40円から44円へ増額した。上期純利益3479億円の増益要因を、基礎的収益、資源・非資源の伸び、税効果、キャッシュフロー、財務レバレッジの観点から検証し、最高益更新に必要な下期の条件と投資家が注視すべきリスクを解説。

アンソロピックIPOで試されるAI相場、11月日本株の三大焦点

AnthropicはNASDAQ上場を申請したが、公開価格と株数は未定です。急成長する売上高の一方、巨額の計算資源費と会計上の赤字が投資家の選別を促します。米巨大ITのクラウド成長、設備投資、中間選挙を手掛かりに、アドバンテストや東京エレクトロンなど11月の日本株で見極めたい上昇条件と下振れリスクを解説します。

今週の決算総点検、上方修正の質と次に伸びる銘柄の見極め方を分析

10月19〜23日は65社が決算・業績修正を発表し、35社がポジティブ評価となった。ディスコ、ファナック、KOAのAI関連需要、川崎汽船の市況改善、ブロンコビリーの利益成長を精査。上方修正が本業の収益力によるものか、一時利益や為替に支えられたものかを分け、次の決算で確認すべき受注、粗利率、配当余力を読み解く。