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高配当利回り株ベスト50、首位エニグモと割安株の選別法を徹底解説

by 大野 真由
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首位7.19%でも利回りだけでは測れない投資価値

2026年10月16日終値を基準に、東証プライム上場企業の予想配当利回りを調べると、エニグモが7.19%で首位となりました。50位のドリームインキュベータも5.30%あり、上位には不動産、自動車部品、建設、素材、サービスなど幅広い業種が並びます。

ただし、配当利回りは年間配当を株価で割った数字です。増配だけでなく、業績不安による株価下落でも上昇します。特別配当や記念配当を含む場合もあるため、高利回りをそのまま割安さや安全性とみなすことはできません。本稿では全50銘柄を確認し、配当の持続力まで踏み込んで選別します。

東証プライム高配当50銘柄の全順位

予想配当利回りは「会社予想の年間1株配当÷10月16日終値×100」で算出しました。特別配当などを含む一方、期末の権利付き最終日を通過した銘柄は対象外です。以下の利回りは税引前で、将来の受取額を保証するものではありません。

利回り6%前後の上位25銘柄

順位コード銘柄利回り終値決算期
13665エニグモ7.19%417円27年1月
23284フージャースHD6.09%1,232円27年3月
37278エクセディ6.06%5,780円27年3月
43548バロックジャパンリミテッド5.99%634円27年2月
58595JAFCO5.98%2,222.5円27年3月
67128ユニソルHD5.94%3,045円26年12月
78007高島5.85%786円27年3月
82379ディップ5.83%1,663円27年2月
98999グランディハウス5.83%549円27年3月
104481ベース5.79%3,215円26年12月
118881日神グループHD5.79%639円27年3月
123964オークネット5.78%1,419円26年12月
131814大末建設5.77%4,055円27年3月
148005スクロール5.76%1,770円27年3月
158185チヨダ5.76%937円27年2月
165076インフロニアHD5.74%2,300.5円27年3月
178584ジャックス5.74%3,485円27年3月
187236ティラド5.73%1,430円27年3月
192815アリアケジャパン5.71%5,250円27年3月
205988パイオラックス5.70%1,615円27年3月
211833奥村組5.69%5,270円27年3月
221882東亜道路工業5.69%1,581円27年3月
231518三井松島HD5.68%2,288円27年3月
243877中越パルプ工業5.62%2,134円27年3月
253457And Do HD5.61%820円27年6月

5%台半ばに集中する26位以下

順位コード銘柄利回り終値決算期
264023クレハ5.61%3,850円27年3月
276539MS-Japan5.60%1,000円27年3月
283608TSI HD5.59%1,253円27年2月
295541大平洋金属5.57%2,332円27年3月
309743丹青社5.57%1,437円27年1月
316390加藤製作所5.56%1,260円27年3月
322767円谷フィールズHD5.55%2,522円27年3月
337226極東開発工業5.54%2,165円27年3月
345702大紀アルミニウム工業所5.50%1,637円27年3月
358897MIRARTH HD5.42%424円27年3月
365949ユニプレス5.41%1,294円27年3月
376535アイモバイル5.41%499円27年7月
387820ニホンフラッシュ5.41%666円27年3月
398125ワキタ5.40%1,853円27年2月
402475WDB HD5.39%1,743円27年3月
417059コプロHD5.39%927円27年3月
422461ファンコミュニケーションズ5.38%390円26年12月
434246ダイキョーニシカワ5.37%1,080円27年3月
445357ヨータイ5.37%1,675円27年3月
455852アーレスティ5.37%633円27年3月
464114日本触媒5.33%2,625円27年3月
475938LIXIL5.31%1,693.5円27年3月
486358酒井重工業5.31%2,071円27年3月
498729ソニーFG5.31%150.8円27年3月
504310ドリームインキュベータ5.30%2,583円27年3月

首位と50位の差は1.89ポイントですが、2位以下は6%前後から5%台に密集しています。わずかな株価変動や配当修正で順位が入れ替わるため、ランキングの数番の差に大きな意味はありません。

また、建設・不動産、自動車関連、素材企業が目立ちます。同じ景気要因や金利、原材料価格の影響を受ける銘柄だけを集めると、会社数を増やしても十分な分散にならない点に注意が必要です。

配当方針で見抜く上位4社の持続力

エニグモの確約配当と業績の隔たり

エニグモは1株30円の期末一括配当を掲げ、417円の終値に対して7.19%となりました。30円の内訳は普通配当10円と記念配当20円です。会社は構造改革期間に当たる2026年1月期と2027年1月期について、業績変動や市場区分の変更にかかわらず30円配当を実施する方針を示しています。

一方、2027年1月期上期は売上高27億5,500万円、営業損失4億3,700万円、中間純損失1億4,400万円でした。主力BUYMAの総取扱高も前年同期比86.4%にとどまっています。通期では売上高72億6,700万円、営業利益4,400万円、純利益4億9,300万円を見込みますが、調整後EPS予想20.88円に対して配当は30円です。

つまり、現在の高配当は当期利益だけで賄う設計ではなく、現金や有価証券も活用する資本政策としての性格が強いと読めます。会社資料では2年間の配当総額を約24億円と計画しています。2028年1月期以降は「配当性向50%またはDOE5%の高い方」へ移行するため、30円が恒久的に維持されるとは限りません。

さらに、2026年1月末時点の流通株式時価総額は90.4億円で、プライム市場の基準である100億円を下回っていました。配当確約は魅力ですが、BUYMAの回復、構造改革の成果、市場区分への対応を同時に追う必要があります。

DOE下限を備える3社の還元設計

2位のフージャースHDは2027年3月期に75円配当を予想しています。還元方針は配当性向40%以上かつDOE4%以上です。純利益に連動する配当性向と、株主資本を基準にするDOEを組み合わせることで、利益変動時にも配当の安定性を持たせています。

3位のエクセディは年間350円を予想し、2025年度と2026年度の2年間で総還元性向100%を掲げています。中計終了後もDOE5%を下限とする方針ですが、現在の高還元には余剰資本の圧縮という時限的な側面があります。配当額だけでなく、本業のキャッシュ創出力が還元後にどう変化するかが焦点です。

5位のJAFCOは、DOE6%と配当性向50%のうち高い方を配当額とする設計です。利益が投資先の売却時期に左右されやすい事業だけに、DOEは配当の変動を抑える役割を持ちます。ただし、株主資本そのものが減ればDOE基準の配当額も変化します。

同じ6%前後でも、エニグモは確約配当、フージャースHDは配当性向とDOEの併用、エクセディは余剰資本還元、JAFCOは変動利益を補うDOEという違いがあります。利回り比較の次に、配当原資と還元期間を確認することが重要です。

記念配当と株価下落が生む利回りの錯覚

高利回り株の最大のリスクは、予想配当の減額と株価下落が同時に起きることです。利回りが上昇していても、分子の配当ではなく分母の株価が急落した結果かもしれません。普通配当、記念配当、特別配当を分け、翌期に消える金額を除いた「平常時の利回り」も計算すべきです。

配当性向が高すぎる企業では、営業キャッシュフロー、現預金、有利子負債、設備投資を確認します。DOE採用企業も自動的に安全になるわけではなく、赤字が長期化すれば株主資本の取り崩しにつながります。

権利確定日の2営業日前が権利付き最終日で、翌営業日の権利落ち日には理論上、配当相当額だけ株価が下がります。配当だけを目的とした直前購入では、受取額以上の値下がりを被る可能性があります。権利日を分散し、一度に買い切らない姿勢が有効です。

NISAで高配当株を育てる四つの点検軸

購入前には、①普通配当だけで計算した利回り、②利益と営業キャッシュフローによる配当余力、③減配条件を含む還元方針、④業種と権利月の偏り、の四つを確認します。順位よりも、数年後まで配当原資を生み出せる事業かどうかを優先すべきです。

課税口座では上場株式の配当に原則20.315%が源泉徴収されます。NISAの成長投資枠なら対象商品の配当を非課税にできますが、株式数比例配分方式を選ぶ必要があります。一方、NISAで生じた損失は他口座の利益と損益通算できません。

高配当株だけで資産全体を構成せず、分散型の投資信託などを中核に置き、個別株は業種と購入時期を分けて組み入れる方法が現実的です。決算発表のたびに業績、配当予想、キャッシュフローを更新し、利回りではなく総合的な投資収益で判断することが長期運用につながります。

参考資料:

大
大野 真由

投資信託・資産運用

投資信託・ETF・NISA を中心に、個人の資産形成に役立つ情報を発信。難解な金融商品をわかりやすく解説する。

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