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高配当利回り株ベスト50、首位エニグモと配当持続性を徹底分析

by 大野 真由
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東証プライムで5%超が50社並ぶ背景

2026年10月23日終値を基準にした東証プライム市場の高配当利回りランキングでは、エニグモが7.18%で首位となりました。50位でも利回りは5.38%に達しており、予想配当を重視する投資家にとって無視できない水準です。

ただし、配当利回りは「年間の1株当たり予想配当金÷株価」で計算します。増配だけでなく、業績悪化や成長鈍化への懸念から株価が下落した場合にも上昇するため、高利回りと割安は同義ではありません。

今回の50社には、継続的な普通配当のほか、記念配当や特別配当を含む企業もあります。ランキングを入口としつつ、配当方針、利益、キャッシュフロー、権利確定時期まで確認することが重要です。

10月23日終値で見る高配当50社の順位

ランキングは会社予想の年間配当と10月23日終値から算出し、特別配当などを含みます。期末配当の権利付き最終日をすでに過ぎた銘柄は対象外です。配当予想の修正や株価変動により、表示利回りと実際の投資利回りは変化します。

利回り6%超の上位6社

上位6社の利回りは6%を超えています。首位と50位の差は1.80ポイントですが、50社の平均は5.75%、中央値は5.72%であり、7位以下は比較的狭い範囲に集中しています。

順位コード・銘柄予想利回り10月23日終値決算期
13665 エニグモ7.18%418円2027年1月
22379 ディップ6.70%1,447円2027年2月
37278 エクセディ6.23%5,620円2027年3月
43548 バロックジャパンリミテッド6.12%621円2027年2月
53284 フージャースHD6.06%1,238円2027年3月
67236 ティラド6.02%1,361円2027年3月
73608 TSI HD5.99%1,169円2027年2月
87128 UNISOL HD5.96%3,035円2026年12月
98595 JAFCOグループ5.95%2,236.5円2027年3月
108007 高島5.91%779円2027年3月
118584 ジャックス5.89%3,395円2027年3月
125541 大平洋金属5.88%2,210円2027年3月
131518 三井松島HD5.86%2,217円2027年3月
145076 インフロニアHD5.85%2,257.5円2027年3月
154481 ベース5.81%3,200円2026年12月
163964 オークネット5.80%1,414円2026年12月
178881 日神グループHD5.80%638円2027年3月
188999 グランディハウス5.80%552円2027年3月
195988 パイオラックス5.76%1,596円2027年3月
208005 スクロール5.76%1,771円2027年3月
211814 大末建設5.74%4,075円2027年3月
223457 And Do HD5.74%802円2027年6月
231833 奥村組5.73%5,240円2027年3月
241882 東亜道路工業5.73%1,570円2027年3月
255702 大紀アルミニウム工業所5.73%1,570円2027年3月
262815 アリアケジャパン5.71%5,250円2027年3月
273877 中越パルプ工業5.71%2,101円2027年3月
288185 チヨダ5.71%946円2027年2月
296390 加藤製作所5.70%1,227円2027年3月
302767 円谷フィールズHD5.67%2,470円2027年3月
316539 MS-Japan5.66%989円2027年3月
327226 極東開発工業5.66%2,122円2027年3月
335852 アーレスティ5.60%607円2027年3月
344246 ダイキョーニシカワ5.59%1,037円2027年3月
354023 クレハ5.57%3,880円2027年3月
366535 アイモバイル5.57%485円2027年7月
375949 ユニプレス5.55%1,261円2027年3月
388729 ソニーフィナンシャルグループ5.54%144.5円2027年3月
394114 日本触媒5.52%2,536.5円2027年3月
402461 ファンコミュニケーションズ5.51%381円2026年12月
418897 MIRARTH HD5.48%420円2027年3月
426209 リケンNPR5.47%3,840円2027年3月
434973 日本高純度化学5.43%4,235円2027年3月
446358 酒井重工業5.43%2,025円2027年3月
459743 丹青社5.42%1,475円2027年1月
467820 ニホンフラッシュ5.40%667円2027年3月
475357 ヨータイ5.39%1,670円2027年3月
488125 ワキタ5.39%1,855円2027年2月
492475 WDB HD5.38%1,748円2027年3月
504310 ドリームインキュベータ5.38%2,548円2027年3月

税引前キャッシュフローで見る上位10社

100株を購入した場合の最低投資額と年間配当は次の通りです。売買手数料は含まず、配当は会社予想が維持された場合の税引前金額です。

銘柄年間予想配当最低投資額100株の年間配当
エニグモ30円4万1,800円3,000円
ディップ97円14万4,700円9,700円
エクセディ350円56万2,000円3万5,000円
バロックジャパンリミテッド38円6万2,100円3,800円
フージャースHD75円12万3,800円7,500円
ティラド82円13万6,100円8,200円
TSI HD70円11万6,900円7,000円
UNISOL HD181円30万3,500円1万8,100円
JAFCOグループ133円22万3,650円1万3,300円
高島46円7万7,900円4,600円

上位10社を1単元ずつ購入すると、必要資金は合計179万2,450円、予想年間配当は11万200円です。表面利回りは約6.15%ですが、エクセディだけで投資額の約31%を占めます。単元株を機械的に組み合わせても、均等に分散されたポートフォリオにはならない点に注意が必要です。

上位銘柄を分ける四つの配当原資

固定配当とDOEがつくる予見可能性

エニグモは構造改革期間に当たる2026年1月期と2027年1月期について、1株30円の配当を掲げています。2028年1月期以降は、配当性向50%またはDOE5%のうち高い方を採用する方針です。10月23日の株価では7.18%となりますが、足元ではBUYMAの取扱高が前年を下回るなど、事業再建の進捗確認が欠かせません。

DOEは株主資本に対する配当額の割合です。単年度利益に対する配当性向より変動が緩やかなため、配当の予見可能性を高めやすい特徴があります。ただし、赤字が続いて株主資本が減少すれば、DOE基準でも将来の配当余力は低下します。

エクセディはDOE5%を下限とする安定配当を掲げ、2026年度の年間配当を350円と予想しています。フージャースHDも配当性向40%以上、DOE4%以上を方針とし、年間75円を予定しています。利益と純資産の両方を基準にする企業は、配当方針を数値で検証しやすい点が特徴です。

特別配当を除いた平常利回りへの補正

TSI HDの年間70円には、基本配当55円に加えて特別配当15円が含まれます。基本配当だけで計算した利回りは約4.70%です。特別配当が2027年2月期までの方針であることを考えると、5.99%をそのまま長期利回りとみなすのは適切ではありません。

UNISOL HDの181円には80円の記念配当が含まれます。普通配当に相当する101円を10月23日終値で割ると、平常ベースの利回りは約3.33%です。一方、普通配当はDOE3.5%以上を基準とする累進配当が基本方針であり、一時配当を除外しても増配方針そのものは確認できます。

高配当株を比較するときは、「今年受け取れる総配当」と「翌期以降も期待できる普通配当」を分ける必要があります。記念・特別配当を控除した調整後利回りを並べると、ランキングの順番が大きく変わる可能性があります。

配当性向と現金創出力の耐久性

高島は年間46円を予定していますが、会社予想に基づく連結配当性向は98.2%です。利益のほぼ全額を配当に回す計算となるため、利益が計画を下回った場合は配当維持の負担が大きくなります。累進配当を掲げていても、営業キャッシュフローや手元資金の確認は必要です。

JAFCOグループは年間133円を最低配当として示しています。ただし、投資会社の利益は投資先の売却時期や評価損益によって振れやすく、一般的な事業会社と同じ物差しだけでは評価できません。配当方針に加え、保有資産、ファンド運用収入、投資回収の状況を確認する視点が欠かせません。

バロックジャパンリミテッドのようなアパレル企業では、在庫評価、値引き販売、国内外の店舗採算が利益を左右します。配当額が据え置かれていても、売上総利益率や在庫の増減が悪化すれば、翌期の配当余力に影響します。

高利回り投資で見落としやすい三つの罠

第一の罠は、株価下落による利回り上昇です。配当30円の銘柄でも、株価が500円なら利回りは6%、400円なら7.5%になります。配当が増えていなくても、事業リスクを織り込んだ株安だけでランキング上位に浮上します。

第二の罠は、予想配当を確定額と受け取ることです。配当予想は業績や財務状況によって修正されます。配当性向が高い企業、赤字企業、一時配当を含む企業では、売上高より営業利益、フリーキャッシュフロー、手元流動性を優先して確認する必要があります。

第三の罠は、配当だけを受け取って売却すれば利益になるとの誤解です。日本取引所グループは、配当落日の株価が配当相当額分下落する仕組みを説明しています。実際の株価は需給や相場環境でも動くため、短期の権利取りに確実な利益はありません。

通常口座では配当に税金がかかる一方、NISA口座で得る配当は一定の要件の下で非課税です。ただし、国内上場株式の配当をNISAで非課税にするには、証券会社の口座で受け取る「株式数比例配分方式」の設定を確認する必要があります。

買い付け前に確認したい五つの資料

高配当株を選ぶ際は、最初に最新の決算短信で通期計画の進捗を確認します。次に配当方針を読み、普通配当、特別配当、記念配当を分けます。さらに貸借対照表とキャッシュフロー計算書、権利確定日、過去の減配実績まで確認することが基本です。

候補銘柄は、現在の表面利回りだけでなく、一時配当を除いた利回りと20%減配時の利回りでも比較すると選別しやすくなります。単一企業や同一業種に偏らせず、複数銘柄や高配当株ETFなどを組み合わせる方法も選択肢です。

今回の50社は銘柄探しの出発点であり、推奨順位ではありません。配当の原資、方針の適用期間、業績悪化時の余力を確認し、決算発表前後に購入時期を分散することが、長期の配当収入を安定させる現実的な行動です。

参考資料:

大
大野 真由

投資信託・資産運用

投資信託・ETF・NISA を中心に、個人の資産形成に役立つ情報を発信。難解な金融商品をわかりやすく解説する。

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