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デイトレードのやり方と始め方|口座開設・必要資金・1日の流れ・リスク

by デイトレ.jp 編集部

デイトレードは、買った株をその日のうちに売る(または空売りした株をその日のうちに買い戻す)ことで、1日の中で損益を確定させる取引です。始めるには証券会社に口座を開き、使う資金と1回の取引で許容する損失額を先に決めてから、東京証券取引所(東証)の取引時間に合わせて売買します。利益が約束される方法はないため、少ない株数で仕組みを確かめながら始めるのが現実的です。

始めるまでの5つのステップ

  1. デイトレードの仕組みとリスクを理解する
  2. 証券口座を開く(空売りや資金効率を考えるなら信用取引口座も)
  3. 使う資金と、1回・1日あたりの損失の上限を決める
  4. 取引時間、注文の種類、板の見方、値幅制限のルールを覚える
  5. 少ない株数で売買し、記録をつけて振り返る

デイトレードの基本:その日のうちに取引を終える

東証の用語集では、同じ人がある銘柄を買ってその日のうちに売る、または空売りしてその日のうちに買い戻すような売買を「日計り商い」と呼び、デイトレードとも言うと説明しています。翌日に持ち越さないので、取引時間外に出たニュースで株価が大きく変わるリスクは負いませんが、取引時間中の値動きで損失が出るリスクは常にあります。

方法は、自分の資金の範囲で売買する現物取引と、証券会社に保証金を預けてお金や株を借りる信用取引の2つです。信用取引では保証金の約3.3倍までの売買や空売りができる一方、損失が保証金を上回ることもあります。定義やスイングトレード・長期投資との違いはデイトレードとはで詳しく扱っています。

口座開設の手順

証券口座を開く

証券会社の口座はインターネットで申し込めるところが多く、本人確認書類に加えてマイナンバー(個人番号)の提供が必要です。日本証券業協会によると、2016年1月1日以降に新たに証券会社と取引を始める人は、口座開設時にマイナンバーを提供しなければなりません。

証券会社によって、手数料の体系、取引ツール、空売りできる銘柄の範囲、返済期限が当日の「一日信用」の有無などが違います。各社の違いは証券会社の比較で確認できます。

特定口座の「源泉徴収あり」「なし」を選ぶ

口座開設の際には、税金の扱いとして特定口座を使うかどうかを選びます。国税庁の説明では、特定口座は1つの証券会社につき1口座で、口座内の売買の損益は証券会社が計算し、送られてくる「特定口座年間取引報告書」で簡単に申告できます。さらに源泉徴収を選ぶと、売却のたびに税金が差し引かれ、その口座の売買益は確定申告をしなくてもよい扱いにできます。

源泉徴収の有無は年単位の選択で、その年の最初の売却までに届け出る必要があり、年の途中で変えることはできません。複数の証券会社の損益を通算する場合や、損失を翌年以降に繰り越す場合は、源泉徴収ありの口座でも確定申告が必要です。

信用取引口座は審査を経て別に開く

空売りをする場合や、同じ資金で何度も売買したい場合は信用取引口座を使います。東証の資料によると、信用取引は通常の口座とは別の「信用取引口座」で行い、開設までには次の流れがあります。

  1. 信用取引の仕組みやリスクを記した契約締結前交付書面を受け取り、口座開設を申し込む
  2. 証券会社が、投資経験や預かり資産などをもとに各社の基準で審査する
  3. 承認されたら、顧客と証券会社の権利・義務を定めた「信用取引口座設定約諾書」を差し入れる

審査の基準は証券会社ごとに異なり、申し込めば必ず開設できるものではありません。

NISA口座はデイトレードに向かない

NISA口座でも、同じ日に売買すること自体はできます。ただし金融庁の説明では、年間投資枠と非課税保有限度額は買付額(簿価)で計算され、売却した分の枠が復活するのは翌年以降です。同じ資金で売買を繰り返すと、その年の投資枠をすぐに使い切ってしまいます。また国税庁によると、NISA口座で生じた損失は、ほかの口座の利益と損益通算できず、繰越控除の対象にもなりません。

必要資金の考え方

現物取引は「株価×100株」が最低単位

東証に上場する国内株式の売買単位は、2018年10月1日から100株に統一されています。現物取引で1銘柄を買うのに必要な金額は、少なくとも「株価×100株」と手数料です。

株価(例)100株の代金
300円3万円
800円8万円
2,500円25万円
6,000円60万円

株価はいずれも説明用の仮の数字です。

現物取引には、デイトレードならではの制約もあります。同じ資金で同じ銘柄を同じ日に「買う→売る→また買う」ことはできません。現金での取引を反対売買で相殺し、差額だけをやり取りする「差金決済」が、内閣府令(金融商品取引法第161条の2に規定する取引及びその保証金に関する内閣府令 第10条)で禁止されているためです。たとえば仮に資金30万円でA社株を買って売ったあと、その売却代金で同じ日にもう一度A社株を買うことはできません。別の銘柄の買付には使えるのが一般的ですが、細かな扱いは証券会社の説明で確認してください。

信用取引は最低30万円の保証金が必要

信用取引では、原則として約定代金の30%以上、かつ最低30万円の委託保証金が必要です。これは法令で定められた最低限の基準で、保証金率が30%なら保証金の約3.3倍まで売買できる計算になります。ただし、レバレッジ型・ダブルインバース型のETF・ETNの新規建てでは約定代金の60%以上が必要で、証券会社がより高い率を定めている場合もあります。仮に保証金30万円なら、約100万円分の取引ができます。

東証の資料によると、2013年1月以降は、信用取引で建てた取引を返済すると、その保証金を同じ日のうちに銘柄を問わず何度でも次の取引に使えるようになりました。現物取引の差金決済の制約を受けないことが、デイトレードで信用取引が使われる理由のひとつです。同じ資料では、2025年のプライム市場で、個人の売買代金のうち75%を信用取引が占めています。

その一方で、仮に保証金30万円で100万円分を買い、株価が3%下がると損失は3万円で、保証金の1割にあたります。値動きの影響が自分の資金に対して大きく出ることを前提に考える必要があります。

1回の損失の上限から株数を逆算する

資金の額を決めたら、1回の取引で許容する損失額を決め、そこから株数を逆算する方法があります。

  • 例:資金50万円、1回の損失の上限を資金の1%(5,000円)とする
  • 買値から20円下がったら損切りすると決めた場合:5,000円÷20円=250株 → 100株単位なので200株(想定損失4,000円)
  • 損切りの幅を50円とした場合:5,000円÷50円=100株(想定損失5,000円)

実際には損切りの注文が想定どおりの値段で約定しないこともあるため、想定損失には余裕を持たせます。生活費や近いうちに使う予定のお金を取引に使わないことは、どの方法でも前提です。

デイトレーダーの1日の流れ

東証の取引時間は、午前立会(前場)が9時〜11時30分、午後立会(後場)が12時30分〜15時30分です。注文は午前分が8時から、午後分が12時5分から受け付けられます。土日、祝日、12月31日、1月1日〜3日は休業日です。

時刻市場で起きることデイトレーダーの作業(例)
8:00まで―前日の取引終了後に出た決算やニュース、海外市場の動きを確認する
8:00前場の注文受付開始(売買はまだ成立しない)売買候補の銘柄と、買う値段・損切りする値段を決めておく
9:00寄付き。それまでの注文をまとめて突き合わせる「板寄せ方式」で始値が決まる注文が集中して値動きが大きくなることがあるため、成行注文の使い方に注意する
9:00〜11:30前場のザラバ。価格優先・時間優先の原則で注文が次々に約定する決めた条件で売買し、損切りを実行する
11:30〜12:30昼休み(売買なし)。後場の注文は12:05から受付前場の取引を記録する
12:30後場の寄付き(板寄せ方式)前場からの値動きを確認する
15:25〜15:30ザラバ終了後の「プレ・クロージング」。注文の受付・既存注文の変更・取消はできるが、売買は成立しない(執行条件の変更は不可)当日中に決済する方針なら、ザラバのうちに手じまうか、引けで決済する注文の扱いを理解しておく
15:30大引け。クロージング・オークションの板寄せで終値が決まる決済し忘れた建玉が残っていないか確認する
引け後―取引の記録と振り返り

なお東証は、2027年10月12日から、大引けの板寄せを15時29分30秒〜15時30分の間のランダムな時刻に行う「ランダムクローズ」を導入する予定です(2026年8月6日公表。システムの状況などにより施行日が後ろにずれる場合があります)。

売買の前に覚えておく仕組み

注文の種類

東証で使える基本の注文は、値段を指定しない「成行注文」と、値段を指定する「指値注文」です。成行は値段より約定のしやすさを優先したいときに使いますが、出来高の少ない銘柄や値動きの激しい場面では、思わぬ高い(安い)値段で約定することがあります。

このほか、寄付きでの執行を条件とする「寄付条件付注文」、前引け・大引けでの執行を条件とする「引条件注文」、ザラバで約定しなければ引けで成行に変わる「不成注文」、すぐに約定しなかった数量を失効させる「IOC注文」があります。損切りによく使われる「逆指値注文」(株価が指定した値段以下になったら売る、など)は、東証の機能ではなく各証券会社のサービスなので、使えるかどうかや条件は証券会社によって異なります。

板と気配

板(いた)には、銘柄ごとの売り注文と買い注文が値段別に並びます。売りは安い値段、買いは高い値段の注文が優先され(価格優先)、同じ値段なら先に出た注文が優先されます(時間優先)。

値段が一気に飛ぶような注文が入ったときは、すぐには約定させずに「特別気配」が表示されます。たとえば直前の約定値段が1,200円の銘柄に、1,260円で約定してしまうほど買い注文が偏った場合、その価格帯の更新値幅である30円だけ上の1,230円に買い特別気配が表示され、反対の売り注文を呼び込みます。約定しなければ3分ごとに気配が更新され、少しずつ約定できる値段に近づいていきます。

1日の値動きには上限と下限がある

株価は1日に無制限に動けるわけではなく、前日の終値などの「基準値段」から上下一定の幅(制限値幅)までしか動けません。たとえば基準値段が1,000円なら上下300円で、1,300円がストップ高、700円がストップ安です。ストップ安に張り付くと、買い注文がなければ売りたくても売れません。価格帯ごとの値幅や比例配分の仕組みはストップ高・値幅制限のガイドにまとめています。手元の基準値段から計算するときは値幅制限の計算ツールが使えます。

値段の刻み(呼値の単位)

注文できる値段の刻みは、銘柄と価格帯によって決まっています。2026年10月時点では、たとえば株価1,000円以下の場合、TOPIX500の構成銘柄は0.1円刻み、それ以外の銘柄は1円刻みです。東証は2027年3月1日から、銘柄ごとの流動性(STRという指標)に応じて呼値の単位を決める方式に変える予定です。

当日の平均的な約定値段を示すVWAP

デイトレードでは、その日の約定価格を出来高で加重平均した「VWAP(売買高加重平均価格)」がよく参照されます。株価がVWAPより上か下かで、その日に買った人が平均すると含み益か含み損かの目安がわかります。計算式と数値例はVWAPのガイドを参照してください。

売りから入る空売り

株価が下がると予想するときは、信用取引で株を借りて売り、後で買い戻す「空売り」もできます。ただし株価に上限はないため、損失は理論上限りがありません。貸株料や逆日歩といった空売り特有のコストと空売り規制は空売りのガイドで整理しています。

ナンピン(買い下がり)の扱い

買った株が下がったところで買い増すと、平均取得単価は下がりますが、保有株数が増えるぶん、さらに下がったときの損失も大きくなります。決めた値段で損切りするというデイトレードの基本とぶつかりやすいやり方なので、使うなら平均単価と損失額がどう変わるかを事前に確かめておく必要があります。ナンピン計算ツールで、買い増し後の平均取得単価を試算できます。

コストと税金

手数料と信用取引のコスト

売買の手数料は証券会社や料金プランによって異なり、条件付きで無料にしている会社もあります。信用取引では、買いの場合の金利、売りの場合の貸株料、株が不足した銘柄で売り方が支払う品貸料(逆日歩)、口座管理などの手数料がかかります。取引回数が多いデイトレードでは、1回あたりは小さなコストでも積み重なります。

税金は利益の20.315%

国内上場株式の売買益は、ほかの所得と分けて税額を計算する申告分離課税です。国税庁によると税率は20%(所得税15%、住民税5%)で、これに所得税額の2.1%にあたる復興特別所得税が加わるため、2026年分の合計は20.315%です。

利益は「売却代金−(取得費+委託手数料など)」で計算するので、手数料は利益から差し引かれます。たとえば仮に、1年間の売買益の合計が30万円、手数料の合計が2万円なら、課税対象は28万円で、税額は約5万6,900円です。損失が出た年は、確定申告をすれば上場株式等の配当などと損益通算でき、引ききれない損失は翌年以後3年間繰り越せます。

損失が膨らみやすい場面と、先に決めておくこと

デイトレードの損失は、1回の大きな失敗や、ルールから外れた取引の積み重ねで膨らみます。次のような場面は、始める前に対応を決めておきます。

  • 損切りの先延ばし:「戻るまで待つ」と翌日に持ち越すと、取引時間外の値動きのリスクまで負うことになります
  • 損失を取り返そうとする取引:負けた直後に株数や回数を増やすと、損失が加速しやすくなります
  • 流動性の低い銘柄での成行注文:板が薄いと、想定よりかなり不利な値段で約定することがあります
  • ストップ安・ストップ高:張り付くと、決済の注文が約定しないことがあります
  • 信用取引の追証:保証金が建玉の約定代金の20%(東証が示す維持率。証券会社によってはより厳しい基準)を下回ると、追加の保証金が必要になります
  • システムや通信の障害:証券会社のシステムや自宅の回線のトラブルで、注文や決済が遅れることがあります

損失からの回復には、失った率より大きな上昇率が必要になる点も意識しておきます。

資金の減少元に戻すのに必要な上昇率
−10%約+11.1%
−20%+25%
−30%約+42.9%
−50%+100%

始める前に決めておきたいのは、1回の損失の上限、1日の損失の上限(達したらその日は取引をやめる)、同時に取引する銘柄の数、記録する項目(売買の理由、値段、結果、ルールを守れたか)の4つです。このガイドは仕組みと手順の説明で、特定の銘柄や売買を勧めるものではありません。実際に売買するかどうか、どの銘柄をいくらで売買するかは、ご自身で判断してください。

最初の1か月の進め方(例)

  1. 1週目:取引時間中に板やチャートを見て、寄付き・前引け・大引けで値動きや出来高がどう変わるかを観察する。売買はしない
  2. 2週目:最低単位(100株)で、1日1〜2回までに絞って売買する。毎回、売買の理由と損切りの値段を先に書き出してから注文する
  3. 3〜4週目:記録を見返し、ルールどおりに損切りできたか、手数料や税金を引いた損益がどうだったかを確認する。ルールを守れなかった日が多いなら、取引の回数をさらに減らす

この期間に確かめたいのは、利益が出たかどうかより、決めたルールどおりに行動できたかどうかです。

テーマ別のガイドとツール

よくある質問

Q. デイトレードはいくらから始められますか?

A. 現物取引なら、買う銘柄の株価×100株(東証の売買単位)と手数料が最低限の目安で、たとえば株価800円の銘柄なら8万円です。信用取引を使う場合は、委託保証金として最低30万円が必要です。金額を決める前に、1回の取引で失ってもよい額を決めておくと、株数を逆算できます。

Q. 会社員でもデイトレードはできますか?

A. 制度上の制限はありませんが、東証の取引時間は平日の9時〜11時30分と12時30分〜15時30分で、勤務時間と重なりやすいことが現実的な制約になります。11時30分〜12時30分は売買が成立しない時間です。画面を見られない時間に建玉を残さないなどのルールを決め、勤務先の規則も確認してください。

Q. NISA口座でデイトレードはできますか?

A. 同じ日に売買すること自体はできます。ただし金融庁の説明では、年間投資枠は買付額(簿価)で消費され、売却した分の枠が復活するのは翌年以降です。売買を繰り返すとその年の枠をすぐに使い切るため、デイトレードには向きません。NISA口座の損失は、ほかの口座の利益と損益通算もできません。

Q. 現物取引と信用取引では、デイトレードで何が違いますか?

A. 現物取引は自分の資金の範囲で売買し、同じ資金で同じ銘柄を同じ日に買い直すことはできません(差金決済の禁止)。信用取引は保証金の約3.3倍まで売買でき、返済で戻った保証金を同じ日に何度でも使えるほか、空売りもできます。その代わり損失が保証金を上回ることがあり、金利や貸株料などのコストがかかります。

Q. デイトレードの利益にかかる税金はいくらですか?

A. 国内上場株式の売買益は申告分離課税で、所得税15%と住民税5%に、所得税額の2.1%にあたる復興特別所得税が加わり、合計20.315%です(2026年分)。特定口座で源泉徴収ありを選ぶと、売却のたびに証券会社が税金を差し引き、確定申告を不要にできます。

出典・参考資料

「デイトレの始め方」のほかのガイド

あわせて使える計算ツール