相場急落でRSI20%以下の低PER株、反騰候補15社を精査
日経急落で浮上した売られ過ぎ株の選別
2026年8月19日の東京株式市場では、日経平均株価が65,326円42銭となり、前日比2,134円31銭安、率にして3.16%の大幅下落となりました。日経平均プロフィルによれば、日経平均構成225銘柄のうち下落は179銘柄、上昇は45銘柄にとどまっています。
こうした全面安に近い局面では、機械的な売りで短期的に売られ過ぎた銘柄と、業績懸念で本格的に評価が切り下がった銘柄が混在します。そこで注目されるのが、RSI20%以下という需給面の極端な弱さと、低PERという利益面の割安さを組み合わせる見方です。本稿では、反騰候補15社というスクリーニングを、単なる銘柄リストではなく、反発確度を見極めるための実務的な読み方として整理します。
RSI20%以下が示す短期需給の圧縮
30%基準より深い過熱解消
RSIは、一定期間の値上がり幅と値下がり幅のバランスから、相場の強弱を0から100%で示すオシレーター系指標です。一般には70%以上が買われ過ぎ、30%以下が売られ過ぎとされます。今回のように20%以下まで下げた銘柄は、通常の売られ過ぎ判定より一段深い水準にあると考えられます。
ただし、RSI20%以下は「すぐ買える」という意味ではありません。強い下降トレンドでは、RSIが低位に張り付いたまま株価がさらに下がることがあります。重要なのは、RSIが極端な低水準にある理由です。指数連動売り、決算後の失望売り、信用買い残の投げ、テーマ株の巻き戻しでは、その後の値動きが大きく異なります。
8月19日の下落は、日経平均の技術セクター寄与度が大きくマイナスに傾いた点が特徴です。日経平均プロフィルでは、技術セクターの寄与度が1,535円45銭の押し下げとなり、素材も374円16銭のマイナスでした。日経平均のセクター別ウェートでは技術が55.90%を占めており、指数の急落が半導体・AI関連の需給悪化を強く映したことが分かります。
指数寄与度で読む売りの偏り
米国市場でも、8月18日にPHLX半導体株指数が5%下落し、AI関連のポジション調整が広がりました。MarketWatchは、ダウ、S&P500、ナスダックが3日続落したと伝え、情報技術セクターの弱さを指摘しています。Investor’s Business Dailyも、SOXが5%下げた局面で、メモリー株やAI半導体株が売られたと報じています。
この外部環境を踏まえると、日本株のRSI低下は個別企業の悪材料だけでなく、グローバルな半導体ポジションの巻き戻しに巻き込まれた面があります。日経平均の値がさ株や半導体関連株が主導して指数を押し下げる局面では、売りが他業種にも波及しやすくなります。
一方で、すべてのRSI低位銘柄が同じ性格を持つわけではありません。TradingViewの売られ過ぎ日本株リストを見ると、RSI10%台には小型サービス株、メディア、個人消費関連、インフラ投資法人などが並び、PERが低い銘柄もあれば、赤字や高PERの銘柄も混在しています。つまり、RSIだけでは反騰候補を選び切れません。
反発を狙う場合は、まず「下落が市場全体の巻き添えか、個別要因か」を分ける必要があります。次に、出来高が急増しているか、終値が安値圏に沈んだままか、翌日に前日高値を回復できるかを確認します。RSI20%以下は入口であり、実際の買い判断には、ローソク足、出来高、移動平均線、信用需給を重ねる必要があります。
低PER株を反騰候補に残す財務条件
市場平均PERとの相対比較
PERは、株価が1株当たり利益の何倍まで買われているかを示す指標です。利益水準に対して株価が低いほどPERは低くなります。ただし、低PERは常に割安を意味するわけではありません。利益のピークアウト、構造的な成長鈍化、一過性益の反動が見込まれる場合、低PERはむしろ市場の警戒を反映していることがあります。
8月19日時点で、日経平均の加重平均PERは16.84倍、指数ベースPERは21.73倍でした。反騰候補を選ぶ際には、このような市場全体のPERと比べて低いかどうかを確認するだけでなく、同業他社との比較、会社計画の達成可能性、直近決算の営業利益率を確認する必要があります。
今回の「RSI20%以下かつ低PER」という条件は、短期需給と利益評価の二段階でふるいをかける点に意味があります。RSIだけで選ぶと赤字企業や高PER銘柄も入りやすく、低PERだけで選ぶと下落トレンドの初動を拾ってしまう危険があります。両者を組み合わせることで、少なくとも「売られ過ぎ」と「利益面の割高感の小ささ」を同時に満たす候補に絞れます。
ただし、15社という数そのものに過度な意味はありません。市場全体が急落した日には、短期的なRSI低下銘柄が増えやすくなります。反対に、下落が特定テーマに集中した日には、候補は特定業種へ偏りやすくなります。大切なのは、選ばれた銘柄が市場平均より低いPERである理由が、単なる放置なのか、業績リスクの織り込みなのかを読むことです。
業種差と一過性利益の仕分け
低PER株を評価する際には、業種ごとの利益変動も無視できません。建設、素材、商社、自動車関連のように景気や資源価格の影響を受けやすい業種では、好業績時にPERが低く見えやすい傾向があります。反対に、安定的な内需サービスや食品、小売の一部では、成長率が低くても利益の見通しが読みやすいため、一定の評価が維持されやすくなります。
JPXは規模別・業種別のPER・PBRを月次で公表しており、市場平均や業種平均との比較が可能です。これを使うと、ある銘柄のPERが低い理由を、単純な割安感ではなく、業種内での相対位置として確認できます。同じ10倍台前半のPERでも、業種平均が8倍なら割安とは言いにくく、業種平均が20倍なら見直し余地が残る可能性があります。
さらに、PBRやROEも併せて確認すべきです。JPXプライム150指数の説明では、資本収益性と市場評価を重視する考え方が示されています。低PERでもPBRが低く、ROEが資本コストを下回る状態が続く企業は、株価反発が短期の買い戻しにとどまりやすいです。逆に、低PERであっても営業キャッシュフローが安定し、増配や自社株買いの余地がある企業は、反発後も見直しが続きやすくなります。
決算通過直後の銘柄では、特に会社計画の修正有無が重要です。第1四半期決算で進捗率が低いまま据え置きとなった銘柄は、PERが低く見えても利益予想そのものが下方修正されるリスクがあります。反騰候補として残すには、売上総利益率、受注残、為替前提、原材料価格、在庫評価損の有無まで確認したいところです。
半導体安と金利上昇が残す押し目リスク
今回の急落では、米国の長期金利上昇、原油高、中東情勢の不透明感が重なりました。Barron’sは、日経平均の下落について、債券利回り上昇、原油価格、地政学リスクが投資家心理を圧迫したと報じています。半導体株安だけでなく、リスク資産全体の割引率が上がったことが背景にあります。
MarketWatchは、半導体株ロングが混み合った取引として意識されていると伝えています。こうしたポジション調整は、業績見通しが変わらなくても株価を大きく動かします。とくにAI関連は2026年前半の上昇が急だったため、少しの悪材料でも利益確定売りが連鎖しやすい状態です。
RSI20%以下の銘柄を拾う場合、この外部環境の落ち着きが前提になります。米金利が再び上昇し、SOXや韓国半導体株が続落するなら、日本の割安株にも換金売りが残ります。反騰狙いでは、指数の下げ止まり、半導体株の陰線縮小、為替の急変停止を確認してから段階的に入る方が合理的です。
また、低PER株は流動性が低い銘柄も少なくありません。出来高が薄い状態でRSIだけを見て買うと、反発局面で売却しにくくなります。出来高が過去平均を上回り、かつ下落率が縮小する局面を待つことで、投げ売りの終盤に近いかどうかを判断しやすくなります。
個人投資家が確認すべき反発の順序
反騰候補15社を実際に点検する際は、まずRSI20%以下になった理由を確認し、次にPERが同業平均や市場平均より低い理由を調べることが出発点です。そのうえで、出来高、信用買い残、決算進捗、会社計画、配当方針を順に確認します。
買い急ぐよりも、RSIが20%台から30%台へ戻る局面で、株価が前日高値や5日移動平均線を回復できるかを見る方が精度は高まります。下落当日の安値を翌営業日以降に割り込まないことも、短期反発の最低条件です。
8月19日の相場は、指数急落と個別株の売られ過ぎが同時に発生した局面です。反騰候補を探す価値はありますが、低PERとRSI低位だけで結論を出す場面ではありません。需給の転換、業績の下支え、外部環境の安定という3点がそろう銘柄に絞ることが、短期反発狙いを投機で終わらせないための基本です。
参考資料:
- 日次サマリー - 日経平均プロフィル
- Nikkei Falls to Two-Week Low on Risk-Off Sentiment
- Micron, Other Chip Stocks Drop During Dog Days Of Summer
- U.S. stocks end lower as Dow, S&P 500, Nasdaq drop for third straight day
- Semiconductor stocks under pressure once more as Wall Street’s “most crowded trade” unwinds
- 売られすぎの日本株 — TradingView
- 日本株式市場 — TradingView
- 規模別・業種別PER・PBR | 日本取引所グループ
- TOPIX (TPX) | Japan Exchange Group
- JPXプライム150指数 | 日本取引所グループ
- SBI証券 テクニカル指標用語解説
- 相場反転の見分け方は~「反発」を示唆するシグナルが点灯?|SBI証券
- Chip stock pullback sparks worries about AI rally strength, leveraged trades
- Semiconductor Stocks Rebound to Lead Stock Recovery
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