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11月最新・高利回り配当ベスト30、権利日と割安度を徹底比較

by 大野 真由
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11月26日に迫る配当権利取りの要点

2026年11月末を基準日とする配当や分配金を受け取るには、原則として11月26日の取引終了時点で対象銘柄を保有している必要があります。翌27日が権利落ち日、30日が権利確定日です。約定から受け渡しまでに2営業日を要するため、30日に買っても今回の権利は得られません。

11月は3月や9月ほど対象銘柄が多くない一方、11月決算企業の期末一括配当、5月決算企業の中間配当、REITやインフラファンドの分配金が重なります。1回分だけで4%前後の利回りになる銘柄もあり、短期の配当取りを考える投資家には見逃せない月です。

ただし、コーセルのように11月20日を基準日とし、権利付き最終日が18日となる例もあります。本稿では、11月2日終値と公表済みの会社予想を基準に、利回りだけでなく配当の持続性や割安度も含めて30銘柄を整理します。

一回分利回りで選ぶ高配当30銘柄

11月分だけで4%前後となる上位群

短期の配当取りでは、一般的な「年間配当利回り」ではなく、今回受け取れる配当額を購入価格で割った「1回分利回り」を確認する必要があります。年2回配当の銘柄では、年間利回りの半分程度になることが多いためです。

11月2日終値と会社予想から計算すると、上位6銘柄は次の通りです。利回りは税引き前であり、株価変動や配当予想の修正によって変わります。

銘柄コード11月権利分11月2日終値1回分利回り
ベルテックス623A25円518円4.83%
エスプール247110円232円4.31%
グリーンライト・再エネインフラ投資法人509A2,948円69,000円4.27%
フィル・カンパニー326725円598円4.18%
川口化学工業436170円利回り算定株価ベース4.02%
property technologies552732円849円3.77%

ベルテックスは期末一括25円で、購入単価の低さが高い利回りにつながっています。ただし、上場後の実績がまだ限られるため、今期予想だけで長期の配当安定性を判断するのは早計です。

エスプールは2026年11月期まで3期連続で年間10円を計画しています。配当額は安定しているものの、2026年11月期第3四半期累計では営業減益となっており、来期以降も同額を維持できるかが焦点です。

グリーンライト・再エネは普通株ではなく、上場インフラファンドです。2026年11月期の予想分配金2,948円は全額が利益分配金とされ、1口69,000円に対して4.27%となります。一方、次の2027年5月期予想は2,709円で、期ごとに金額が変わる点には注意が必要です。

フィル・カンパニーは前期比5円増となる25円を予想しています。第3四半期時点で通期業績予想を維持し、予想配当性向は49.7%です。還元強化は魅力ですが、請負工事や不動産開発は案件の引き渡し時期によって利益が変動しやすい事業でもあります。

川口化学工業は業績予想の上方修正に伴い、期末配当を60円から70円へ引き上げました。増配の裏付けが利益成長にある点は評価できますが、輸出、原材料価格、為替の変化が採算を左右します。

property technologiesも期末配当を前期の25円から32円へ増やす予想です。11月2日時点の会社予想利回りは3.77%で、直近実績の配当性向は28.5%でした。還元余力を残す半面、中古住宅再生事業の在庫回転や販売環境の確認が欠かせません。

年間利回りと増配力で選ぶ追加24候補

1回分利回りだけを重視すると、期末一括配当の小型株へ資金が偏ります。長期保有では、中間・期末に分散して受け取れる銘柄や、増配実績のある企業も組み合わせたいところです。

下表は年間予想利回り、増配、PBR、11月に受け取れる金額を総合して選んだ追加24候補です。年間利回りは主に10月23日時点の比較であり、11月2日時点の1回分利回りとは計算基準が異なります。

区分銘柄とコード注目点
年間利回り上位インテリックスHD(463A)年間48円、11月分24円の増配予想
年間利回り上位早稲田学習研究会(5869)年間65円、11月分30円の予想
年間利回り上位ジャパニアス(9558)年間101円、期末51円の増配予想
年間利回り上位日本プロセス(9651)年間92円、中間・期末各46円の予想
年間利回り上位日本国土開発(1887)年間25円、11月分10円の予想
基準日注意コーセル(6905)11月20日基準、権利付き最終日は18日
増配候補東洋電機製造(6505)年間138円、中間69円へ上方修正
増配候補毎日コムネット(8908)年間39円、11月分10円の予想
増配候補E・Jホールディングス(2153)年間82円、11月分30円の予想
配当変動型ミタチ産業(3321)年間70円、11月分35円の予想
大型配当TAKARA & COMPANY(7921)年間180円、11月分90円の予想
安定配当日本フイルコン(5942)年間28円、11月分14円の予想
優待併用シーラHD(8887)年間14円、11月分7円の予想
増配候補スター・マイカHD(2975)年間51円、11月分25.5円の予想
期末一括型川上塗料(4616)年間150円を期末一括で受け取る予想
優待併用ライク(2462)年間60円、11月分30円の予想
高額配当レント(372A)年間235円、11月分117.5円の予想
増配候補OSG(6136)期末91円、年間130円へ上方修正
低PBR候補丸八倉庫(9313)資産価値と収益性の両面を確認
低位株候補アルテック(9972)低株価ゆえの利回り上昇に注意
REITアクティビア・プロパティーズ(3279)賃料収入と物件売却益の持続性
期末一括型川崎地質(4673)公共投資と受注残高が配当原資
REIT大和証券オフィス投資法人(8976)2026年11月期予想分配金7,170円
REIT日本プロロジスリート投資法人(3283)物流施設の稼働率と金利負担

この30銘柄は、すべてを一律に買うための一覧ではありません。期末一括型、年2回配当型、REIT、インフラファンドでは、利益構造もリスクも異なります。自身の保有銘柄と業種が重ならないよう、分散の材料として使うことが重要です。

年間利回りとPBRで見抜く割安度の正体

一回分と年間利回りの混同防止

ジャパニアスの年間予想配当は101円ですが、5月の中間配当50円はすでに権利確定済みです。11月に新たに取得する投資家が今回受け取れる予想額は51円であり、年間101円を現在の株価で割った数字を、そのまま短期の収益率と考えることはできません。

日本プロセスも年間92円に対し、11月分は46円です。東洋電機製造は年間138円に対し69円、TAKARA & COMPANYは年間180円に対し90円となります。年間利回りが高くても、1回分利回りでは順位が下がる理由です。

反対に、ベルテックス、エスプール、フィル・カンパニー、川口化学工業、property technologiesのような期末一括型は、年間配当の全額が11月分になります。短期の受取額は大きく見えますが、配当収入を年1回に依存するため、減配時の影響も集中します。

低PBRが示す割安と停滞の境界

PBRが1倍を下回る銘柄は、株価が帳簿上の1株純資産を下回っている状態です。ただし、低PBRは自動的に「買い」を意味しません。利益率の低さ、成長期待の乏しさ、保有資産の質、資本効率への懸念が株価へ織り込まれている場合があります。

倉庫、不動産、化学、建設関連では土地や建物を多く保有するため、PBRが低くなりやすい傾向があります。丸八倉庫やアルテックなどを見る場合は、純資産だけでなく営業キャッシュフロー、ROE、政策保有株式、遊休資産、自己株式取得の方針まで確認する必要があります。

不動産関連企業は、販売用不動産を資産として計上します。市況悪化で在庫の評価や回転率が低下すると、低PBRでも株価の見直しが進まない可能性があります。配当を支払った後も、仕入れや開発に必要な資金を維持できるかが重要です。

REITとインフラファンド特有の評価軸

REITでは一般企業の配当ではなく、賃貸収益などを原資とする分配金を受け取ります。利益の大部分を分配する仕組みのため利回りは高くなりやすい一方、借入金利の上昇は利益を圧迫します。オフィス型では稼働率と賃料改定、物流型ではテナント集中度や物件取得価格が主要な確認項目です。

大和証券オフィス投資法人は、2026年11月期の予想分配金を1口7,170円としています。運用資産の稼働率は高いものの、次の2027年5月期予想は資産入れ替えなどの影響で金額が大きく異なります。直近1期の高い分配金だけを恒常的な水準とみなすべきではありません。

グリーンライト・再エネでは、発電量、出力制御、設備故障、電力価格、固定価格買取制度の残存期間が分配金を左右します。2026年11月期の2,948円が高水準でも、各期の運用日数や利益超過分配金の有無を分けて見る必要があります。

権利落ち後に表面化する四つの投資リスク

第一のリスクは、権利落ちによる値下がりです。理論上は配当・分配金相当額だけ企業価値が減るため、権利落ち日の株価もその分だけ低下しやすくなります。受取配当が2,500円でも、100株の評価額がそれ以上下がれば、短期売買では損失です。

第二は減配です。会社予想は確定額ではなく、業績悪化や特別損失、資金需要の増加によって変更される可能性があります。特別配当や物件売却益を含む場合は、翌期も同額が続くとは限りません。

第三は流動性です。スタンダード、グロース市場の小型株や一部のREITでは売買高が少なく、希望価格で売れないことがあります。成行注文では想定より高く買い、安く売るリスクがあるため、板の厚さと平均売買代金の確認が必要です。

第四は税と口座区分です。課税口座の上場株式配当には原則20.315%が源泉徴収されます。NISAで配当やREIT分配金を非課税にするには、証券口座で受け取る「株式数比例配分方式」の選択が必要です。NISAの損失は他口座の利益と通算できない点も理解しておきましょう。

購入前に実行したい五段階チェック

11月の配当取りでは、まず各社IRで基準日と1株・1口当たり予想額を確認します。次に「今回の1回分利回り」と「年間予想利回り」を分け、特別配当や利益超過分配金の有無を調べます。

三つ目は、営業キャッシュフロー、配当性向、DOE、自己資本比率などから支払い能力を点検することです。四つ目はPBRやPERだけでなく、業績修正、受注残高、借入金利、在庫の質を同業他社と比較します。

最後に、権利落ち後の含み損をどこまで許容できるか決めます。配当額を上回る値下がりにも耐えられ、減配時も保有を続けられる銘柄でなければ、短期の高利回りは安心材料になりません。30銘柄を分散候補として使い、権利日前の株価上昇局面では無理に追わない姿勢が、長期の資産形成には有効です。

本稿の数値は2026年11月2日までの株価および公表資料を基準とした参考情報です。配当・分配金を保証するものではなく、特定銘柄の購入を推奨するものではありません。

参考資料:

大
大野 真由

投資信託・資産運用

投資信託・ETF・NISA を中心に、個人の資産形成に役立つ情報を発信。難解な金融商品をわかりやすく解説する。

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