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デイトレードとは?スイング・長期投資との違い、損益の仕組みとリスク

by デイトレ.jp 編集部

デイトレードとは、株を買ってその日のうちに売る、または空売りした株をその日のうちに買い戻すように、1日の中で取引を完結させる売買のことです。東京証券取引所(東証)の用語集では「日計り商い」の別名として説明されています。損益は買値と売値の差で決まり、手数料や税金、信用取引を使う場合の金利などのコストも結果を左右します。

東証の定義と「その日のうち」の範囲

東証の用語集は、同じ取引者がある銘柄を買ってその日のうちに売却したり、空売りしてその日のうちに買い戻したりする売買を「日計り商い」と呼び、デイトレードとも言うと説明しています。入り方は2通りです。

  • 買いから入る:買う → 同じ日に売る(現物取引でも信用取引でもできる)
  • 売りから入る:空売りする → 同じ日に買い戻す(信用取引を使う)

「その日のうち」とは、東証の取引時間である前場(9時〜11時30分)と後場(12時30分〜15時30分)の間を指します。大引けを過ぎて翌営業日に持ち越せば、その取引はもうデイトレードではなく、取引時間外に出たニュースや海外市場の動きによる値動きの影響も受けるようになります。

スイングトレード・長期投資との違い

保有期間で比べると、デイトレードは最も短い取引です。スイングトレードや長期投資に法令上の定義はありませんが、一般的には次のように区別されます。

項目デイトレードスイングトレード長期投資
保有期間の目安数分〜数時間(当日中)数日〜数週間数年以上
主に見る情報板、歩み値、分足チャート、当日のニュース日足チャート、数日〜数週間の材料業績、財務、配当、事業の成長性
取引の回数多い中程度少ない
取引時間外の値動きの影響受けない(持ち越さない)受ける受けるが、日々の変動より長期の推移を重視する
必要な時間取引時間中に画面を見る時間1日に数回の確認定期的な見直し
売買コストの影響回数が多いぶん積み重なりやすい中程度小さい

金融庁は、資産形成の基本的な考え方として「長期・積立・分散」の投資を紹介しています。長く投資を続けて複利の効果を生かし、決まった金額を続けて投資し、値動きの異なる複数の資産に分けるという考え方です。デイトレードは1日の値動きから利益を狙う短期売買で、目的も必要な時間もこれとは異なります。どちらが優れているかではなく、お金を何のために使うのかで選ぶものです。

損益が出る仕組み(数値例)

買いから入った場合

例:架空のA社株(株価1,500円)を100株買い、同じ日に1,530円で売ったとします。

項目金額
買付代金(1,500円×100株)150,000円
売却代金(1,530円×100株)153,000円
売買の差額+3,000円
手数料(仮に往復200円とする)−200円
税引き前の利益+2,800円
税金(20.315%として計算)約−570円
税引き後の利益約2,230円

手数料は証券会社や料金プランで異なり、無料の場合もあります。税金は実際には1年間の損益を合計して計算するため、この表は1回分のイメージです。

反対に1,470円まで下がって売ると、差額は−3,000円、手数料を含めて−3,200円の損失です。値動きの幅が同じでも、コストのぶん利益は小さく、損失は大きくなります。

売りから入った場合

例:架空のB社株を2,000円で100株空売りし、1,950円で買い戻せば、差額は+5,000円です。反対に2,080円で買い戻すことになれば−8,000円で、ここからさらに貸株料などのコストが差し引かれます。売りから入る取引の仕組みとコストは空売りのガイドで詳しく扱っています。

減った資金を取り戻すのは数字以上に難しい

資金が10%減ると、元に戻すには約11.1%の上昇が必要で、50%減ると100%の上昇が必要です。1回あたりの値幅が小さいデイトレードでも、損失の大きい取引が混ざると回復に時間がかかります。

現物取引と信用取引

デイトレードは現物取引でも信用取引でもできますが、資金の使い方のルールが違います。

  • 現物取引:自分の資金の範囲で売買します。同じ資金で同じ銘柄を同じ日に「買う→売る→また買う」ことはできません。現金での取引を反対売買で相殺して差額だけを受け渡す差金決済が、内閣府令で禁止されているためです
  • 信用取引:原則として約定代金の30%以上(最低30万円)の保証金を預けます。保証金率が30%なら約3.3倍までの売買が目安です(レバレッジ型・ダブルインバース型のETF・ETNは60%以上が必要で、証券会社がより高い率を定めることもあります)。2013年1月以降、返済で戻った保証金を同じ日に何度でも次の取引に使えるようになりました。空売りもできますが、損失が保証金を上回ることがあり、金利・貸株料・品貸料(逆日歩)などのコストがかかります

東証の資料では、2025年のプライム市場で、個人による売買代金の75%を信用取引が占めています。証券会社によっては、返済期限を新規に建てた日の当日に限った「一日信用」と呼ばれる一般信用取引も用意されています。

デイトレードについてよくある誤解

  • 「持ち越さないからリスクが小さい」:取引時間外の値動きは避けられますが、取引時間中の値動きによる損失は避けられません。信用取引を使えば、保証金の約3.3倍の金額で値動きの影響を受けます
  • 「少額なら損をしない」:100株単位の少額でも、値下がりの率は変わりません。仮に株価500円の銘柄を100株(5万円)買って5%下がれば、2,500円の損失です
  • 「手数料が無料ならコストはかからない」:手数料のほかに、想定した値段で約定しないことによる差、信用取引の金利・貸株料・逆日歩、利益にかかる税金があります
  • 「ストップ高の銘柄は翌日も上がる」:ストップ高はその日の需給が買いに偏った結果で、翌日の値動きを示すものではありません。翌日の基準値段はその日の終値(気配のまま終わればその気配値段)になり、そこから上にも下にも動きえます
  • 「取引回数を増やせば利益も増える」:回数が増えればコストも増え、1回ごとの判断が雑になることもあります。回数と利益が比例する保証はありません

向いている人・向いていない人

デイトレードに資格は要りませんが、生活の条件や性格によって続けやすさは大きく変わります。

続けやすい条件

  • 平日の取引時間中、特に寄付きや大引けの前後に、相場を見られる時間がある
  • 損切りの値段など、事前に決めたルールを損失が出ている場面でも守れる
  • 失っても生活に影響しない資金で取引できる
  • 毎回の売買を記録し、手数料や税金を引いた後の損益で振り返れる

向いていない可能性が高い条件

  • 勤務などで取引時間中に画面を見られない(東証の昼休みにあたる11時30分〜12時30分は売買が成立しません)
  • 生活費や、近いうちに使う予定のお金を使おうとしている
  • 損失が出ると、取り返そうとして取引を増やしてしまう
  • 値動きを見続けることに強いストレスを感じる

老後資金や教育資金のように長い時間をかけて増やしたいお金なら、短期売買以外の方法も比べたうえで決めても遅くありません。

デイトレード特有のコストとリスク

コスト

  • 売買手数料:取引回数に比例して増えやすい
  • 想定した値段で約定しないことによる差:板の薄い銘柄や値動きの速い場面で大きくなりやすい
  • 信用取引の金利、貸株料、品貸料(逆日歩)
  • 利益にかかる税金:国内上場株式の売買益は申告分離課税で、2026年分は20.315%

リスク

  • 価格変動:予想と反対に動けば損失が出ます。利益が保証される手法はありません
  • 流動性:取引が少ない銘柄では、売りたいときに買い手がいないことがあります。ストップ安に張り付くと、その日は売れない場合もあります(値幅制限のガイド)
  • レバレッジ:信用取引では、保証金が建玉の約定代金の20%(取引所の制度上の維持率)を下回ると、追加の保証金(追証)が必要になります。実際の判定基準や差し入れ期限は証券会社ごとに異なり、20%より高く設定されていることもあります
  • システム・通信:証券会社のシステムや回線のトラブルで、注文や決済ができないことがあります

この記事はデイトレードの仕組みを説明するもので、売買を勧めるものではありません。取引するかどうかや取引の内容は、ご自身で判断してください。口座開設から1日の流れまでの具体的な手順はデイトレードのやり方・始め方に、証券会社ごとの違いは証券会社の比較にまとめています。

よくある質問

Q. デイトレードとスキャルピングの違いは何ですか?

A. どちらも当日中に取引を終える点は同じです。スキャルピングは数秒〜数分ほどの短い保有で小さな値幅を何度も取りにいくやり方を指すことが多く、デイトレードの中でも特に保有時間が短いスタイルです。法令や取引所の用語として決まった区分ではありません。

Q. デイトレードは違法ではありませんか?

A. 違法ではありません。東証の用語集でも「日計り商い(デイトレード)」として説明されている通常の売買です。ただし、現物取引で同じ資金を使い同じ銘柄を同じ日に買い直す差金決済は禁止されています。また、取引が活発であるように見せかける仮装売買や、取引を誘い込む目的で相場を変動させる一連の売買・注文などの相場操縦は、金融商品取引法第159条で禁止されています。

Q. 1日に何回まで売買できますか?

A. 法令で「1日○回まで」という一律の上限はありません。ただし、証券会社ごとの取引ルールやシステム上の制限、不公正取引の規制には従う必要があります。また現物取引では、同じ資金で同じ銘柄を1日に何度も往復することはできません。信用取引では2013年1月以降、返済で戻った保証金を同じ日に何度でも次の取引に使えます。回数が増えるほど、手数料などのコストも増えます。

Q. デイトレードで損をした場合、税金はどうなりますか?

A. 証券会社などを通じた上場株式等の売買で生じた損失は、確定申告をすれば、同じ年の上場株式等の配当等(申告分離課税を選んだもの)と損益通算でき、引ききれない分は翌年以後3年間にわたって繰り越せます(国税庁)。NISA口座内の損失は対象外です。特定口座で源泉徴収ありを選んでいても、ほかの口座と損益を通算する場合や繰越控除を使う場合は確定申告が必要です。

出典・参考資料

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