デイトレ.jp
デイトレ.jp

ローソク足の見方とパターン一覧|四本値の条件式と、足の長さで形が変わる例

by デイトレ.jp 編集部

ローソク足は1本で4つの値段を表しています。パターンの名前は多く、解説も多いのですが、名前を覚える前に「それが四本値のどんな関係なのか」を条件式にしておくと、自分のチャートで迷わず判定できます。この記事では定義を一次情報で確認し、パターンを条件式の一覧にして、最後に架空銘柄の5分足8本を20分足・40分足にまとめ直して「同じ値動きが足の長さで別の形になる」ことを数字で示します。

ローソク足と四本値

野村證券の用語集では、ローソク足は次のように説明されています。

株価の動きをグラフ化したものをチャートと呼ぶが、代表的なものがローソク足である。時系列チャートの一種である。ローソク足という名前は、株価の動きをローソクそっくりの形で表すことからきている。ローソク足は、1日の株価の「始値」「高値」「安値」「終値」の4つの値段をあらわしている。

この4つの値段の総称が四本値です。JPXの用語集では「『始値』、『高値』、『安値』、『終値』の4種類の値段の総称」と定義され、野村證券の用語集はそれぞれを次のように説明しています。

値段定義
始値その日の最初に取引された値段
高値その日に取引された中で最も高い値段
安値その日に取引された中で最も低い値段
終値その日の最後に取引された値段

実体とヒゲ

1本のローソク足は、始値と終値を結ぶ四角(実体)と、そこから高値・安値まで伸びる線(ヒゲ)でできています。

  • 陽線:終値 > 始値
  • 陰線:終値 < 始値
  • 上ヒゲの長さ = 高値 − max(始値, 終値)
  • 下ヒゲの長さ = min(始値, 終値) − 安値

色の割り当て(白/黒、赤/青など)はツールの設定で、定義とは関係ありません。

日足の始値・終値は板寄せで決まる

日足の始値と終値は、ザラ場の値段と決まり方が違います。JPXの説明では、板寄せ方式は「売買立会の始めの約定値段(始値)や売買立会終了時における約定値段等を決定する場合に行われる売買契約締結の方法」で、約定値段決定前の注文をすべて板に記載し、価格優先原則で対当させながら数量的に合致する値段を単一の約定値段とします。

つまり、日足の実体の両端(始値と終値)は、連続的な値動きの途中の値段ではなく一括で決まった1点です。立会時間は9:00〜11:30と12:30〜15:30で、始値は寄り付き、終値は大引けで決まります。寄り付き前に材料が出た日は、前日終値から離れた値段で始値が付き、日足に窓(ギャップ)が空きます。離れられる範囲は制限値幅で決まっています(ストップ高の値幅は?東証の値幅制限一覧と計算方法)。

パターン一覧(四本値の条件式)

名前の由来や解釈は本によって違いますが、判定条件は四本値で書けます。以下の「条件」は本記事での判定基準で、ツールや書籍の定義とは閾値が異なることがあります。

1本で判定するもの

名前条件(四本値の関係)一般に言われる解釈
大陽線終値 > 始値 で、実体が直近の足に比べて長い。ヒゲは短い買いの勢いが強い
大陰線始値 > 終値 で、実体が長い。ヒゲは短い売りの勢いが強い
小陽線・小陰線(コマ)実体が短く、ヒゲも短い方向が決まっていない
十字線(同時線・ドージ)始値 ≒ 終値(実体がほぼ0)で、上下にヒゲ買いと売りが釣り合った
カラカサ(下ヒゲの長い線)下ヒゲ ≥ 実体 × 2 かつ 上ヒゲ ≒ 0いったん売られて押し戻した
トンカチ(上ヒゲの長い線)上ヒゲ ≥ 実体 × 2 かつ 下ヒゲ ≒ 0いったん買われて押し戻された
陽の丸坊主始値 = 安値 かつ 終値 = 高値(ヒゲなし)全時間帯で買われた
陰の丸坊主始値 = 高値 かつ 終値 = 安値(ヒゲなし)全時間帯で売られた
四本値同値(一本線)始値 = 高値 = 安値 = 終値値段が1つしか付かなかった

最後の「四本値同値」は、売買がほとんど成立しなかった銘柄や、値幅制限に張り付いた足で出ます。形の意味を読む前に、出来高が付いているかを見る必要がある足です(出来高とは)。

2本の関係で判定するもの

名前条件(当日と前日の四本値)一般に言われる解釈
包み足(抱き線)当日の高値 ≥ 前日の高値 かつ 当日の安値 ≤ 前日の安値前の足の値幅を飲み込んだ
はらみ足当日の高値 ≤ 前日の高値 かつ 当日の安値 ≥ 前日の安値値幅が前の足の内側に収まった
上の窓(ギャップアップ)当日の安値 > 前日の高値値段が飛んで上に離れた
下の窓(ギャップダウン)当日の高値 < 前日の安値値段が飛んで下に離れた

包み足とはらみ足は、条件が互いに裏返しの関係にあります。そしてこの2つは、どちらの条件も満たさない組み合わせが大半です(高値だけが上、安値だけも上というケース)。「2本並べればどちらかに分類できる」ものではありません。

数値例:5分足8本を20分足・40分足にまとめる

架空のG社株の5分足8本です。四本値は円単位です。

本始値高値安値終値陽/陰実体上ヒゲ下ヒゲ
11,0001,0129981,010陽1022
21,0101,0151,0021,004陰652
31,0041,006988992陰1224
49921,0089911,006陽1421
51,0061,0101,0001,002陰442
61,0021,0149981,012陽1024
71,0121,0131,0041,006陰612
81,0061,0111,0011,006—055

5分足で見ると、陽線3本(1・4・6本目)・陰線4本(2・3・5・7本目)・十字線1本(8本目は始値=終値=1,006円で実体0)です。

2本の関係を条件式で判定する

上の条件式をそのまま当てはめます。

組当日の高値 vs 前の高値当日の安値 vs 前の安値判定
1→21,015 > 1,0121,002 > 998どちらでもない
2→31,006 < 1,015988 < 1,002どちらでもない
3→41,008 > 1,006991 > 988どちらでもない
4→51,010 > 1,0081,000 > 991どちらでもない
5→61,014 > 1,010998 < 1,000包み足(陽の包み足)
6→71,013 < 1,0141,004 > 998はらみ足
7→81,011 < 1,0131,001 < 1,004どちらでもない

7組のうち、包み足・はらみ足に当てはまったのは2組で、残る5組はどちらでもありません。窓(当日の安値 > 前の高値/当日の高値 < 前の安値)は0組です。連続した足は普通どこかで重なるため、窓は日足の寄り付きのような「値段が飛ぶ」場面でなければ出ません。

20分足にまとめる

1〜4本目を1本の20分足にします。始値は最初の足の始値、終値は最後の足の終値、高値と安値はその範囲の最大・最小です。

項目計算値
始値1本目の始値1,000円
高値max(1,012 / 1,015 / 1,006 / 1,008)1,015円
安値min(998 / 1,002 / 988 / 991)988円
終値4本目の終値1,006円

できあがる20分足は、実体が+6円(1,000→1,006)の陽線で、上ヒゲ9円(1,015−1,006)、下ヒゲ12円(1,000−988)です。実体よりヒゲのほうが長い「下ヒゲがやや長い小陽線」になります。

ここで消える情報があります。5分足では3本目に988円まで売られ、4本目で1,006円まで戻した、という順序が見えていました。20分足では988円は下ヒゲの先端としてだけ残り、それが前半に起きたのか後半に起きたのかは読めません。下ヒゲ/実体は 12 ÷ 6 = 2.0 倍ですが、上ヒゲが9円あるためカラカサの条件(上ヒゲ ≒ 0)は満たしません。形の名前を当てようとすると、条件のどれにも素直には入らない足です。

40分足にまとめると

1〜8本目をまとめます。

項目計算値
始値1本目の始値1,000円
高値8本すべての高値の最大1,015円
安値8本すべての安値の最小988円
終値8本目の終値1,006円

四本値は20分足とまったく同じ(1,000/1,015/988/1,006)になりました。高値と安値が前半4本で付き、終値も1,006円で変わらないためです。

つまり、20分間の値動きと40分間の値動きが、同じ形のローソク足1本として描かれます。形が同じでも中身は違い、後半の4本(包み足やはらみ足が出ていた区間)は1本の足には痕跡を残しません。ローソク足のパターンを読むときに最初に確認すべきなのは、形の名前ではなく「その1本が何分間の、何本の約定をまとめたものか」です。

区切りの位置でも形は変わる

同じ5分足でも、9:00から区切るか9:02から区切るかで各足の四本値は変わります。上の例で2〜5本目をまとめれば、始値1,010・高値1,015・安値988・終値1,002の陰線になります(1〜4本目は陽線でした)。足の長さと区切りの起点は、どちらもツールの設定です。

他の指標との関係

移動平均線・MACD・ボリンジャーバンドは、四本値のうち終値だけを使って計算されます。ヒゲの長さや実体の向きは、これらの指標には入りません(ゴールデンクロス・MACD・ボリンジャーバンドの見方)。一方VWAPは約定値段を出来高で重み付けするため、終値の平均とは別の情報を含みます(VWAPとは)。

ローソク足だけを並べても、1本に何株の売買が入ったかは分かりません。実体が長い足とヒゲだけの足を、出来高を見ずに同じ重みで扱うと、売買がほとんど成立していない足の形に意味を読んでしまいます(出来高とは)。

検証していないこと

一覧表の「一般に言われる解釈」の列は、証券会社の用語集やチャートの解説で説明されている読み方をまとめたものです。特定の銘柄・期間でその通りに値段が動いたかどうかは別の問題で、この記事は検証していません。パターンの判定条件(四本値の関係)は客観的に書けますが、その後の値動きは条件に含まれていません。

まとめ

  • ローソク足は1本で四本値(始値・高値・安値・終値)を表す。実体は始値と終値、ヒゲは高値・安値までの距離
  • 日足の始値と終値は板寄せ方式で一括して決まる1点で、ザラ場の連続した値段とは決まり方が違う
  • パターンは四本値の条件式として書ける。1本で判定するもの(大陽線・十字線・カラカサ・丸坊主など)と、2本の関係で判定するもの(包み足・はらみ足・窓)がある
  • 数値例の7組のうち、包み足・はらみ足に当てはまったのは2組だけ。「どちらかに分類できる」ものではない
  • 5分足8本(陽3・陰4・十字1)を20分足1本にまとめると、下ヒゲがやや長い小陽線1本になり、988円まで売られた順序は読めなくなった
  • 20分足と40分足の四本値が同じ(1,000/1,015/988/1,006)になる例もある。同じ形が別の中身から作られる

この記事はチャートの読み方の説明で、特定の銘柄や売買手法を勧めるものではありません。ローソク足が示すのは過去に成立した値段で、将来の値動きを保証するものではありません。取引するかどうかはご自身で判断してください。デイトレードの始め方はデイトレードのやり方・始め方にまとめています。

よくある質問

Q. ローソク足とは何ですか?

A. 野村證券の用語集では、株価の動きをグラフ化したものをチャートと呼び、その代表的なものがローソク足で、時系列チャートの一種と説明されています。名前は株価の動きをローソクそっくりの形で表すことからきており、1本で「始値」「高値」「安値」「終値」の4つの値段をあらわしています。

Q. 四本値とは何ですか?

A. 日本取引所グループの用語集では、四本値(よんほんね)は「始値」「高値」「安値」「終値」の4種類の値段の総称と定義されています。野村證券の用語集では、始値はその日の最初に取引された値段、高値はその日に取引された中で最も高い値段、安値は最も低い値段、終値は最後に取引された値段と説明されています。

Q. 陽線と陰線の違いは何ですか?

A. 終値が始値より高い足を陽線、終値が始値より低い足を陰線と呼びます。実体(始値と終値の間の四角)の上下に伸びる線がヒゲで、上ヒゲは高値まで、下ヒゲは安値までの距離です。色の割り当て(白黒か赤青か)はツールの設定で、意味は変わりません。

Q. ローソク足のパターンは何本の足で判定しますか?

A. 1本で判定するもの(大陽線・大陰線・十字線・カラカサ・トンカチ・丸坊主など)と、2本の関係で判定するもの(包み足・はらみ足・窓など)があります。この記事ではそれぞれを四本値の条件式として一覧にしています。

Q. 同じ値動きでも足の長さで形は変わりますか?

A. 変わります。この記事の数値例では、5分足8本のうち陽線3本・陰線4本・十字線1本だった値動きが、20分足1本にまとめると「下ヒゲがやや長い小陽線」1本になりました。3本目で988円まで売られた経緯は20分足の下ヒゲに吸収されて、順序は読めなくなります。

Q. パターンが出たら値段は動きますか?

A. この記事に載せた解釈は、証券会社の用語集やチャートの解説で一般的に説明されている読み方です。特定の銘柄・期間でその通りに値段が動いたかどうかは別の問題で、この記事は検証していません。パターンの定義(四本値の条件)は客観的に判定できますが、その後の値動きは定義に含まれていません。

出典・参考資料

「テクニカル指標」のほかのガイド

あわせて使える計算ツール