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一日信用取引とは?仕組みと制度信用との違い、4社の手数料・金利・空売り

by デイトレ.jp 編集部

一日信用取引は、証券会社が提供する一般信用取引のうち、返済期限を新規に建てたその日に限ったものです。2026年10月時点では、SBI証券(日計り信用)、楽天証券(いちにち信用)、松井証券(一日信用取引)、マネックス証券(ワンデイ信用)が提供しており、当日中に返済すれば手数料は無料(各社の条件あり)で、金利・貸株料も0%か条件付きで無料です。その一方、当日中に返済しなかった建玉は強制的に決済され、手数料や持ち越した日数分のコストがかかります。

一日信用取引の仕組み

信用取引は、証券会社に委託保証金を預け、お金や株を借りて売買する取引です。一日信用は返済の期限が新規に建てた当日なので、買いから入る場合も売り(空売り)から入る場合も、その日の取引時間中に反対売買で返済することが前提になります。当日中であれば、現引き・現渡しで返済できる会社もあります。

使うには信用取引口座が必要で、委託保証金のルールは通常の信用取引と同じです。原則として約定代金の30%以上、かつ最低30万円の保証金が必要で、保証金率30%なら保証金の約3.3倍まで取引できます。レバレッジ型・ダブルインバース型のETF・ETNなどは60%以上の保証金が必要です。東証の資料によると、2013年1月以降は、返済で戻った保証金を同じ日のうちに銘柄を問わず何度でも次の取引に使えます。

新規に建てるときは、注文のたびに制度信用か一般信用(一日信用を含む区分)かを選びます。日本証券業協会の規則は、証券会社が信用取引の注文を受けるたびに、制度信用・一般信用の別などについて顧客の意向を確認するよう定めています。建てたあとに区分を変えることはできません。

制度信用・一般信用との違い

東証の資料(信用取引制度の概要、2026年9月)をもとに、一日信用の欄を加えて整理すると次のとおりです。

項目制度信用取引一般信用取引一日信用(一般信用の一種)
取引できる銘柄取引所が選定(売りは貸借銘柄のみ)証券会社が選定(原則として全上場銘柄の中から)証券会社が選定。売りは証券会社が株を用意できる範囲
返済期限最長6か月証券会社が決定新規に建てた当日
品貸料取引所が決定(逆日歩)証券会社が決定証券会社が決定(調達が難しい銘柄の空売り料など)
証券金融会社からの借入れ(貸借取引)利用できる利用できない利用できない

日計りのコストはどう違うか

松井証券、マネックス証券、GMOクリック証券は、信用取引の金利を受渡日を基準に、建てた日と返済した日の両方を数える「両端入れ」で計算すると説明しています。このため制度信用取引では、同じ日に建てて返済しても金利が1日分かかると松井証券とGMOクリック証券は説明しており、松井証券は売りの貸株料も同じ扱いとしています。SBI証券と楽天証券の制度信用の買方金利にあたる年2.80%で計算すると、100万円分の買いで1日あたり約76.7円です。

制度信用の売りにかかる逆日歩(品貸料)は、新規建ての受渡日から返済の受渡日の前日までの日数で計算するため、同じ日に売って買い戻せばかからないと、マネックス証券は説明しています。逆日歩が決まる仕組みは空売りのガイドにまとめています。

一日信用では、当日中に返済すれば、各社とも手数料は無料で、金利・貸株料は0%か条件付きで無料です。

4社の一日信用の比較(2026年10月時点)

証券会社(名称)手数料(当日中に返済)金利・貸株料(当日中に返済)制度信用で売れない銘柄の売り当日中に返済しなかった場合
SBI証券(日計り信用)0円(ゼロ革命の条件を満たす場合)0%HYPER空売り(HYPER料が別途)翌営業日の前場の寄付で強制返済。電話注文の手数料がかかり、翌日以降は金利・貸株料が年1.80%
楽天証券(いちにち信用)0円(IFA取扱口座を除く)0%特別空売り銘柄(特別空売り料が別途)原則として翌営業日に強制決済。手数料2,200円(税込)
松井証券(一日信用取引)0円(インターネット経由)0%プレミアム空売り(プレミアム空売り料が別途)松井証券の任意で決済。1注文あたり3,575円(税込)
マネックス証券(ワンデイ信用)無料年1.80%(約定代金100万円以上は無料)スペシャル空売り(スペシャル空売り料が別途)翌営業日の前場寄り付きで強制決済。期日到来による強制決済には選択中の手数料コースの手数料、持ち越した期間の金利・貸株料がかかる

マネックス証券のワンデイ信用は、仮に50万円分を新規に買い建てて当日中に返済すると、500,000円×1.80%÷365日×1日で24円の金利がかかります(同社の計算例)。貸株料について、同社のよくある質問は「1約定あたりの約定代金が100万円以上」なら無料と説明しています。

GMOクリック証券の信用取引の区分は制度信用と一般信用(無期限・短期)で、一日信用はありません(信用取引の手数料は0円、日計りでも金利は1日分)。moomoo証券は、公式の手数料一覧に日本株の信用取引の項目がありません。

表の手数料・金利・取扱銘柄は2026年10月6日に各社の公式サイトで確認したもので、各社の判断で変更されることがあります。取引の前に、注文画面や各社の案内で最新の条件を確認してください。

空売りできる銘柄の違い

制度信用で売り(空売り)ができるのは、証券金融会社から株を借りられる「貸借銘柄」だけです。一日信用では、証券会社が株を用意できる銘柄を選んで売りを受け付けるため、制度信用では売れない新興市場の銘柄や、上場して間もない銘柄が対象になることがあります。SBI証券は最短で上場の翌営業日から、楽天証券は最短で上場の翌日から売れると案内しています。

ただし、次の点は事前に確認が必要です。

  • 別の料金がかかる銘柄がある:調達が難しい銘柄の売りには、HYPER料(SBI証券)、特別空売り料(楽天証券)、プレミアム空売り料(松井証券)、スペシャル空売り料(マネックス証券)がかかります。料金は銘柄ごとに決まり(SBI証券・楽天証券・松井証券は1株・1日あたりの料金)、当日中に返済してもかかります。楽天証券は同じ日に返済した場合も1日分かかると説明しており、松井証券も受渡日を基準に建日と返済日の両方を数えます
  • 料金が値幅を上回ることもある:松井証券のプレミアム空売り料の上限は、1株・1日あたり前営業日の終値×1%です。仮に前営業日の終値が1,000円なら上限は1株10円で、100株なら1日最大1,000円です。1,000円で売って995円で買い戻した場合の値幅(100株で500円)を上回ります
  • 売れる数量に限りがある:楽天証券では1人あたりの上限数量が決まっており、注文の時点で売建可能数量が0株になることもあります。松井証券も、プレミアム空売りの銘柄ごとに建玉の上限を設けています
  • 貸借銘柄でも一日信用で売れないことがある:松井証券は、貸借銘柄の中にも株の調達が難しく一日信用で売れない銘柄があると説明しています。同社には、その一部をプレミアム空売り料なしで売れるようにした「プレミアム空売りゼロ」というサービスもあります

一日信用の売りも空売りなので、注文の際の空売りの明示や価格規制などのルールは同じように適用されます。

当日中に返済できなかったときの扱い

  • SBI証券:原則として翌営業日の前場の寄付で強制返済されます(値が付かなければ値が付くまで繰り越し)。インターネットコースでも電話注文の手数料がかかり、翌日以降は約定金額にかかわらず買方金利・貸株料が年1.80%、HYPER空売りなら持ち越した日数分のHYPER料がかかります
  • 楽天証券:原則として翌営業日に強制決済され、手数料は2,200円(税込)です。特別空売り料は新規建ての受渡日から返済の受渡日までかかり、たとえば水曜日に建てて木曜日に強制決済されると、土日をはさんで4日分になります
  • 松井証券:当日の大引けまでに反対売買しないか、15時45分までに現引き・現渡しをしないと、松井証券の任意で決済され、1注文あたり3,575円(税込)かかります
  • マネックス証券:翌営業日の前場寄り付きで強制決済されます。持ち越した場合は、約定代金が100万円以上の取引でも期間分の金利・貸株料がかかり、スペシャル空売り料も新規建ての当日から決済が終わるまでの期間分かかります

寄付きで決済されると、前日の大引けからの値動きをそのまま受けることになります。ストップ高やストップ安に張り付くと返済の注文が約定しないこともあります(値幅制限のガイド)。

使う前に確認しておきたいこと

  • 信用取引口座の開設と審査が必要:一日信用だけを使う場合も同じです。松井証券では、信用取引口座を開くと一日信用取引口座も同時に開設されます。開設の条件や手順は信用取引口座の開設ガイドにまとめています
  • 初心者向けの信用取引サービスでは使えない:SBI証券の「はじめて信用」では日計り信用とHYPER空売りを、楽天証券の「らくらく信用」ではいちにち信用を、マネックス証券の「スタート信用」ではワンデイ信用とスペシャル空売りを使えません
  • 注文の条件に独自の制限がある:たとえば松井証券の一日信用取引では、新規の注文に「大引け」「大引指成」の執行条件を指定できず、プレミアム空売りの注文は8時45分から15時30分まで受け付けています
  • 手数料全体も比べる:現物取引や通常の信用取引の手数料を含めた比較は、手数料無料の条件のガイドにまとめています

一日信用のリスク

  • 損失が保証金を上回ることがある:保証金の約3.3倍まで取引できるため、値動きによっては差し入れた保証金を超える損失が出ます
  • 空売りの損失には上限がない:株価に上限はないため、売りから入った取引の最大損失は理論上無限です
  • 追加保証金(追証):保証金の額が建玉の約定代金の20%(東証が示す維持率。会社によってはより厳しい基準)を下回ると、追加の保証金が必要です
  • コストが小さくても損失は減らない:手数料や金利が0円でも、予想と逆に動いた取引の損失はそのまま残ります。取引の回数が多いほど、損失の出た取引も積み重なりやすくなります
  • システムや通信の障害:返済の注文を出せないまま取引時間が終わると、強制決済の対象になります

一日信用は、当日中に返済することを前提にコストを抑えた仕組みで、利益を出しやすくする制度ではありません。この記事は仕組みと各社の条件を説明するもので、特定の証券会社や銘柄の取引を勧めるものではありません。使うかどうか、どの条件で取引するかは、ご自身で判断してください。各社の取引ツールや取扱商品は証券会社の比較でも確認できます。

よくある質問

Q. 一日信用取引で、当日中に返済しなかったらどうなりますか?

A. 各社のルールで強制的に決済されます。2026年10月時点では、SBI証券は翌営業日の前場の寄付で強制返済して電話注文の手数料がかかり、楽天証券は原則として翌営業日に強制決済して2,200円(税込)、松井証券は同社の任意で決済して1注文あたり3,575円(税込)、マネックス証券は翌営業日の前場寄り付きで強制決済され、期日到来による強制決済には選択中の手数料コースの手数料がかかります。持ち越した日数分の金利・貸株料や空売り料がかかる場合もあります。

Q. 一日信用でも逆日歩はかかりますか?

A. 一日信用は一般信用取引の一種で、証券金融会社からの借入れ(貸借取引)を使わないため、日本証券金融の入札で決まる逆日歩の対象ではありません。ただし、調達が難しい銘柄の売りには、HYPER料や特別空売り料など各社が定める料金がかかり、当日中に返済してもかかります。

Q. 一日信用と制度信用では、どちらがデイトレードに向いていますか?

A. 取引する銘柄と、持ち越す可能性があるかどうかで変わります。一日信用は当日中に返済すれば手数料が無料で金利・貸株料も0%か条件付きで無料ですが、売れる銘柄や数量は証券会社の在庫しだいで、空売り料がかかる銘柄もあります。制度信用は売りの対象が貸借銘柄に限られ、日計りでも金利・貸株料が1日分かかる一方、返済期限が最長6か月なので、翌日以降に持ち越すことがある取引にも使えます。

Q. 一日信用取引を使うには、どの口座が必要ですか?

A. 信用取引口座が必要で、開設には各社の審査があります。委託保証金は通常の信用取引と同じく、原則として約定代金の30%以上、最低30万円です(レバレッジ型・ダブルインバース型のETF・ETNなどは60%以上)。SBI証券の「はじめて信用」、楽天証券の「らくらく信用」、マネックス証券の「スタート信用」といった初心者向けのサービスでは、一日信用は使えません。

出典・参考資料

「信用取引・空売り」のほかのガイド

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