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PTSとは?夜間PTSの取引時間・手数料と、デイトレで使うときの注意点

by デイトレ.jp 編集部

PTS(Proprietary Trading System/私設取引システム)とは、証券取引所を通さずに株式を売買する仕組みです。個人がPTSへ直接注文を出すことはできず、そのPTSに接続している証券会社を経由して取引します。デイトレードの文脈でとくに話題になるのは、東証の取引が終わったあとに売買できる「夜間PTS」です。

PTSの位置づけ:取引所の外にあるもう一つの市場

ジャパンネクスト証券の説明によると、同社のPTSは東証などの取引所と同じ営業日に稼働し、清算は日本証券クリアリング機構(JSCC)、決済は証券保管振替機構(JASDEC)を通じて行われます。個人投資家については「取引参加証券会社を通じてご利用いただく必要がある」と明記されています。つまりPTSは、投資家から見れば「いつもの証券口座から選べる別の執行先」であって、新しい口座を開く先ではありません。

PTSには市場が複数あり、ジャパンネクストPTSの場合はJ-Market、X-Market、U-Marketに分かれています。このうち夜間も動くのはJ-Marketで、X-MarketとU-Marketはデイタイム・セッションのみの対応です。呼値(価格の刻み)は、TOPIX100・TOPIX Mid400の銘柄で0.1円単位から、その他の銘柄で1円単位からと説明されており、取引所より細かい刻みを採用している点が特徴として挙げられています。

取引時間:東証・PTS・証券会社の3段構え

デイトレードで混乱しやすいのは、「PTSが開いている時間」と「自分が注文を出せる時間」が一致しないことです。時間は次の3つの層で決まります。

層時間根拠
東証(立会取引)前場9:00〜11:30/後場12:30〜15:30日本取引所グループ「取引時間」
ジャパンネクストPTS(市場側)デイタイム8:20〜16:30/ナイトタイム17:00〜翌6:00ジャパンネクスト証券「PTSテクノロジー」
SBI証券(自社の受付)デイタイム8:20〜16:30/ナイトタイム17:00〜23:59SBI証券 よくあるご質問
楽天証券(自社の受付)夜間取引は17:00〜23:59(23:59時点で未約定の注文は同社が取消)楽天証券「夜間取引/PTS取引の取引時間」

市場側のナイトタイム・セッションは翌朝6:00までありますが、SBI証券・楽天証券の夜間受付はいずれも23:59で終わります。楽天証券は、23:59以降の未約定注文を同社が取り消すこと、24:00〜6:30は当日注文を受け付けないこと、夜間取引の時間帯(17:00〜23:59)は翌日注文を受け付けられないことを案内しています。SBI証券も「各セッション終了時に未約定のご注文は、取引時間終了後に失効いたします」と説明しています。

夜間に出した指値は、翌朝まで自動で生き残るわけではありません。 セッションをまたいで持ち越せる注文かどうかは、必ず利用している証券会社の案内で確かめてください。

信用取引が使える時間はもっと短い

夜間PTSで使えるのは、現物取引が中心です。SBI証券は「信用取引はナイトタイム・セッションでのお取引はできません」と明記し、PTSでの信用取引の時間をデイタイム・セッション内の9:00〜11:30/12:30〜15:30としています。楽天証券も、信用注文をPTS市場へ取り次ぐのは9:00〜11:30/12:30〜15:30のみと案内しています。

つまり、信用の建玉を夜間PTSで決済することは、この2社では想定されていません。信用取引の仕組みと期限は信用取引とは、返済期限が当日に限られる一日信用は一日信用取引のガイドで確認できます。

夜間PTSで値段が動く理由

上場会社の決算発表や適時開示は、立会時間の終了後に出ることが多くあります。東証の取引が終わってから翌朝9:00までの間に出た材料は、通常なら翌日の寄付きまで株価に反映されません。夜間PTSはこの空白の時間帯に売買の場があるため、材料に反応した値段がその日のうちに付きます。

デイトレードの観点では、使い方は主に2つです。

  • 翌日の寄付きを待たずに手当てする:引け後の開示で、持ち越したくない材料が出たときに現物の建玉を処理する
  • 翌日の気配を読む材料にする:夜間PTSで付いた値段と出来高は、翌日の寄付きに対する市場参加者の評価の一つとして見られる

ただし後者は「夜間PTSが上がったから翌日も上がる」という関係ではありません。夜間の値段は参加者が限られた中で付いたもので、翌日の東証の寄付きは板寄せで別に決まります。値幅制限とストップ配分の仕組みはストップ高・値幅制限のガイドにまとめています。

手数料とコスト

SBI証券・楽天証券はいずれも、PTS取引に対して追加の手数料を設けていません。選択している手数料コースの料金がそのまま適用されます。

一方で、1日の約定代金の合計で手数料が決まる定額コースには注意点があります。楽天証券は、いちにち定額コースの場合、PTS夜間取引の手数料を翌営業日の日中取引と合わせて算出すると案内しています。夜間に約定した分が翌日の枠を消費する形になるため、「1日いくらまで無料」という枠の数え方が、立会取引だけを使っているときとずれます。各社の無料条件の比較はデイトレの手数料無料を比較で整理しています。

日中の注文がPTSで約定する仕組み(SOR)

PTSは「夜間だけのもの」ではありません。証券会社は金融商品取引法第40条の2第1項にもとづいて最良執行方針を定め、公表することが義務づけられています。SBI証券・楽天証券はこの方針の中で、取引所とPTSの気配を比較して有利な市場へ注文を回す仕組み(SOR=スマート・オーダー・ルーティング)を説明しています。

SBI証券のサービス概要では、新規注文はJ-Marketで執行され、SOR指定時は複数の取扱市場から最適な執行先を選ぶと説明されています。結果として、日中に出した注文が東証ではなくPTSで約定することがあります。約定通知の市場名が普段と違う場合は、まずこの設定を確認してください。

使う前に確認しておきたいこと

板が薄い時間帯がある

夜間PTSの参加者は、立会時間に比べて限られます。気配の間隔が広く、少ない株数で値段が飛ぶことがあるため、成行で出すと想定外の値段で約定するおそれがあります。板と気配の読み方はデイトレードとはでも触れています。

ルールは市場ごと・証券会社ごとに違う

呼値の単位、使える注文の種類、取引できない銘柄、売買停止の扱いは、PTSごと、そして取り次ぐ証券会社ごとに定められています。ジャパンネクスト証券は指値・IOC・FOKや空売りへの対応を挙げていますが、実際に自分が出せる注文の種類は、口座を持っている証券会社の案内で確認する必要があります。東証と同じ条件で売買できると決めつけないことが大切です。

同じ銘柄でも東証と値段がずれる

PTSと東証は別の市場で、それぞれの板で値段が決まります。日中にPTSの気配が東証と一致している保証はなく、夜間はなおさらです。チャートやVWAPを使う場合、どの市場の約定を集計した数値なのかを意識してください(VWAPのガイド)。

約定の有無を自分で確かめる

夜間の未約定注文は、セッション終了後に失効または取消になります。「出したつもりの注文が翌朝も生きている」という前提で翌日の計画を立てると、建玉の数え間違いにつながります。

まとめ

  • PTSは取引所の外にある私設取引システムで、個人は接続している証券会社経由で取引する
  • 市場側のナイトタイム・セッションは17:00〜翌6:00だが、SBI証券・楽天証券の夜間受付は17:00〜23:59
  • 夜間に使えるのは主に現物で、両社ともPTSでの信用取引はデイタイム(9:00〜11:30/12:30〜15:30)に限られる
  • 追加手数料はないが、定額コースでは夜間の約定が翌営業日の日中取引と合算される扱いがある
  • 日中でも、最良執行方針にもとづくSORによってPTSで約定することがある

この記事は制度と各社の公表条件を整理したもので、特定の銘柄や取引方法を勧めるものではありません。夜間は参加者が限られ値段が飛びやすく、損失が出ることもあります。取引するかどうかはご自身で判断してください。口座開設から1日の流れはデイトレードのやり方・始め方にまとめています。

よくある質問

Q. PTSとは何ですか?

A. PTS(Proprietary Trading System/私設取引システム)は、証券取引所を通さずに株式を売買する仕組みです。日本では証券会社が運営する電子取引システムが市場の役割を果たしており、個人投資家が直接参加することはできず、そのPTSに接続している証券会社を通じて注文を出します。

Q. 夜間PTSは何時まで取引できますか?

A. 取引できる時間は「PTS側の受付時間」と「注文を出す証券会社の受付時間」の両方で決まります。ジャパンネクストPTSのナイトタイム・セッションは17:00〜翌6:00ですが、SBI証券と楽天証券はいずれも自社の夜間受付を17:00〜23:59としています(楽天証券は23:59時点で未約定の注文を取消)。最終的には利用する証券会社の公表時間が上限になります。

Q. 夜間PTSで信用取引はできますか?

A. SBI証券は「信用取引はナイトタイム・セッションでのお取引はできません」と明記し、信用取引の時間をデイタイム・セッション内の9:00〜11:30/12:30〜15:30としています。楽天証券も信用注文をPTSへ取り次ぐのは9:00〜11:30/12:30〜15:30のみと案内しています。夜間に使えるのは現物取引が中心です。

Q. PTSを使うと手数料は高くなりますか?

A. SBI証券・楽天証券はいずれもPTS取引に追加の手数料を設けておらず、選択している手数料コースの料金が適用されます。ただし1日の約定代金で手数料が決まる定額コースでは、夜間PTSの約定が翌営業日の日中取引と合算される扱いがあるため、1日あたりの枠の数え方が変わる点は確認が必要です。

Q. 日中なのにPTSで約定することがあるのはなぜですか?

A. 証券会社は金融商品取引法第40条の2にもとづく最良執行方針を定めて公表しており、その中で取引所とPTSの気配を比較して有利な市場へ注文を回す仕組み(SOR)を採用している会社があります。SORを利用する設定で注文を出すと、結果としてPTSで約定することがあります。

出典・参考資料

「板・注文の仕組み」のほかのガイド

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